読書・映像鑑賞 2020年3月

映画「三度目の殺人」
[2020/03/29]

「三度目の殺人」(是枝祐和監督、2017年)を観ました。主演は福山雅治、是枝監督のオリジナル脚本の法廷サスペンスです。映画を観た感想は「この絵画は、ずっと序章で終わる」。セリフとセリフの間に微妙な間があり、意味深な雰囲気を醸しているのですが、メリハリがないので途中で飽きてきてしまいます。「十字架」、「裁き」、「器」など劇中に登場するキーワードも、最後まで明確な答えが示されません。謎を投げかけて、ミステリアスな雰囲気を醸し出す作風は、村上春樹の小説や庵野秀明のアニメに似ています。作品を見て答えのない謎に想像を巡らせることが好きな人には面白いと思いますが、東野圭吾のような巧妙トリックや爽快な謎解きが好きな私には、消化不良の映画でした。しかし、映像が綺麗なのは、さすが是枝監督。キャスティングも役柄にマッチしていて、特に役所広司が良い味を出しています。「冤罪」や「自白の強要」など、社会的なテーマが散りばめられていたので、主題がはっきりしていれば、「そして父になる」のような見ごたえある作品になったと思うのですが……。

写真:https://gaga.ne.jp/sandome/


映画「ドラゴン・タトゥーの女」「ダークタワー」「オールドボーイ」
[2020/03/22]

先週は気分を変えて、邦画ではなく「ドラゴン・タトゥーの女」(デヴィッド・フィンチャー監督、2011年)、「ダークタワー」(ニコライ・アーセル、2018年)、「オールドボーイ」(パク・チャヌク監督、2003年韓国)を観ました。「ドラゴン・タトゥーの女」はスェーデンで大ヒットしたスティーグ・ラーソンの推理小説『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』を原作とした映画です。内容は消えた姪を探す新聞記者と頭脳明晰のパンク姉ちゃんの話。物語も抜群に面白く、本作は第84回アカデミー賞で編集賞を受賞しています。「ダーク・タワー」はスティーブン・キングがライフワークと位置付ける小説が原作。2つの世界が交錯し、そこで戦う人々の姿が描かれています。もともと、スティーブン・キングの原作による映画が好きなのですが、この映画はどちらかというと漫画が原作の映画の仕上がりになっています。ですから、ちょっとキングファンとしては物足りない。逆に「オールドボーイ」は、日本の漫画『ルーズ戦記 オールドボーイ』が原作の映画ですが、映画らしい作品に仕上がっていて面白い。韓国で日本の漫画を映画にすると面白く仕上がるのはなぜでしょう。やっぱり、韓国は映画の国なのかな? ところで、邦画と比べると、外国映画の映像美は凄い。特に「ドラゴンタトゥーの女」と「ダークタワー」はソニー傘下のコロンビア・ピクチャーズの映画なので圧倒的に美しい。さすがソニー。本当に美しい!

写真:https://thaisbaby.com/?p=5705
https://bibi-star.jp/posts/10866
https://filmest.jp/oldboy/


映画「祈りの幕が下りる時」「響-HIBIKI-」
[2020/03/01]

「祈りの幕が下りる時」(2018年、福澤克雄監督)と「響-HIBIKI-」(2018年、月川翔監督)を観ました。「祈りの幕が下りる時」は東野圭吾原作の「新参者」シリーズのサスペンスドラマ。阿部寛の演じる加賀恭一郎モノです。 「麒麟の翼」同様、謎めいた内容は魅力的ですが、テレビドラマに比べると時間が限定されているので淡白な感じがします。 やはり、「新参者」シリーズの面白さは物語が脱線するところにある。「響-HIBIKI-」は、2017年のマンガ大賞に輝いた柳本光春のコミック「響き小説家になる方法~」を映画化したものです。 マンガ好き派には映画の評価は芳しくなかったのですが、私はエンターテイメント映画として楽しめました。内容はマンガチックで、映画はコメディタッチで描かれています。 ところどころで爆笑してしまいました。このような主人公が近くにいると、生活を滅茶苦茶にされそうです。それが小説家たる所以でしょうか。 2本の映画を観て感じるのは、映画と言えども雰囲気がまったく違うということです。料理でいうと割烹屋の和食とファミレスのチョコレート・パフェといった感じでしょうか。

写真:https://movies.yahoo.co.jp/movie/361110/
https://movies.yahoo.co.jp/movie/363105/


映画「アルキメデスの大戦」「七つの会議」「GODZILLA怪獣惑星」「GODZILLA決戦軌道増殖都市」「キングダム」「累」
[2020/03/08]

外出できないので映画ばかり観ています。昨年の春休みはアメリカ映画ばかり観ましたが、今年の春休みは最近の日本映画を観ています。と言っても、映画館に行く勇気はないので、レンタルビデオ屋を利用しています。先週、見た映画はアルキメデスの大戦(2019年、山崎貴監督)、七つの会議(2019年、福澤克維監督)、GODZILLA怪獣惑星(2017年、静野孔文、瀬下寛之監督)、GODZILLA決戦軌道増殖都市(2018年、静野孔文、瀬下寛之監督)、キングダム(2019年、佐藤信介監督)、累(2018年、佐藤祐市監督)です。面白かった順番に題名を挙げました。6本の映画のうち 5本が漫画やアニメ関連の原作、「七つの会議」だけが池井戸潤の原作です。最近の日本映画は漫画の原作が多いですね。この中で意外に面白かったのが、アニメのゴジラシリーズの2本。画像も脚本もここまで進化したのかと唸らせる迫力があります。それに比べるとキングダムの美術や累の脚本は最悪。キングダムは話が面白いだけに、美術が時代背景と違うので楽しむことができませんでした。漫画が原作だから仕方ないか。これらの映画を観た感想は、エンターテイメント性が強いということ。かつてのように映画が社会的な問題を写し取るような時代は去ったのでしょうか。1960年代のヌーベルバーグやニューシネマが懐かしい。

写真:https://movies.yahoo.co.jp/movie/366009/
https://movies.yahoo.co.jp/movie/364877/
https://movies.yahoo.co.jp/movie/357979/
https://movies.yahoo.co.jp/movie/362526/
https://movies.yahoo.co.jp/movie/365755/
https://movies.yahoo.co.jp/movie/363104/


映画「ラプラスの魔女」「マスカレード・ホテル」
[2020/03/01]

東野圭吾原作の映画「ラプラスの魔女」(2018年、三上崇史監督、櫻井翔、広瀬すず主演)と「マスカレード・ホテル」(2019年、鈴木雅之監督、木村拓哉、長澤まさみ主演)を見ました。「ラプラスの魔女」は自然現象を予知できるという19世紀の数学者ラプラスの理論を主題にした超常現象とサスペンスを融合させた物語。 この作品の評判は最悪ですが、櫻井君の演技と俳優陣のミスキャストを除くと、原作が良いのでそれなりに楽しめました。それにしても、櫻井君の演技は酷過ぎる。慶應出身の俳優はたくさんいますが……。他方、「マスカレード・ホテル」は映画として普通に楽しめる映画に仕上がっています。映像も綺麗で舞台設定も抜群。木村拓哉を始め、キャステングも的確です。上質なエンターテイメントで、47億円という興行収入がこの映画を物語っています。さすが木村拓哉、歳を取っても人気は衰えていません。2本見て感じたことは、出演者が、いかに主人公にはまって演技をするかということ。それで映画の質が決まるような気がします。同じ東野圭吾原作でも監督やプロデューサーによって作品の感じが大きく変わります。それが映画製作の面白さでしょうか。

写真:http://fundafullife.com/movie/%E3%83%A9%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%81%AE%E9%AD%94%E5%A5%B3-%E6%84%9F%E6%83%B3-%E3%83%8D%E3%82%BF%E3%83%90%E3%83%AC%E3%81%82%E3%82%8A/
https://movies.yahoo.co.jp/movie/364876/


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