「博士の異常な愛情」(1964年)はスタンリー・キューブリック監督が作った核戦争にまつわるブラックコメディです。1964年といえば、前年にキューバ危機が起こり、実際の核戦争の危機が訪れています。そのような状況の中で、このようなコメディ映画を作ったのですから、キューブリックの度胸の良さを感じます。きっと、キューブリックはアメリカ軍から目をつけられたでしょう。本作の主題は、人間の妄想と核を統制するシステムの欠如。核よりも人間の思い込みが全世界的な危機を招くことを、ブラックコメディを交えながら警告しています。恐怖、焦り、笑いなど、人間の感情すべてに訴えかけてくる映画です。危機的状況が改善されない現在、見ても色あせていない秀作。機会があれば、是非、ご覧ください。
写真:https://yorimichim.exblog.jp/7107233/
https://blog.goo.ne.jp/goo0348_2007/e/08d4643fe580fe8b80f1dbdf6d57faf6