読書・映像鑑賞 2019年5月

映画「カメラを止めるな」、ドキュメンタリー「絶対監督主義 押井守」、「歴史ヒストリア ガンダム誕生秘話」、映画「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブルス」
[2019/05/26]

「カメラを止めるな」は、上田慎一郎が2017年に製作、公開した日本映画です。300万円の低予算、6日間という製作日程にもかかわらず、31、2億円(2018年)の興行収入の大ヒット作品となりました。内容はワンカットでゾンビ映画を作る最中に起こるドタバタ劇。出演する俳優は全て無名ですが、個性的な演技をしていて好感が持てる作品となっています。この作品や「絶対監督主義 押井守」、「歴史ヒストリア ガンダム誕生秘話」など、映画の製作者にまつわる番組を見ていると、現在の日本の映画、テレビ界が置かれている状況が理解できます。昔は監督主義の作品がたくさんあったのですが、現在は有名俳優を盛り上げるような作品ばかり。このような状況が日本映画界にとって良いのか悪いのか判断をつけにくいところです。
24日、大学の帰りに岩波ホールで上映されている「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブルス」(2016年、フレデリック・ワイズマン)を観に行きました。この作品は作家サマセット・モーム、ノーマン・メイラーなど、文学、芸術などの分野でも多くの人材を育ててきたニューヨーク公共図書館の内幕を描いた205分の長編ドキュメンタリーです。映画ではコンサートや子供向けの勉強会、就職相談会、ネット機器の貸し出しなど地域の要望に合わせて様々な活動を行う様子が描かれます。映画の中で特に印象に残ったのは「図書館としての使命を考えよう」という館長のセリフ。このシーンを見ると、公共図書館が「知のインフラ」という一貫した理念に基づいて、様々なサービスを提供していることに気づきます。このような映画を見ていると、商業映画とは違った映画の良さ、映画の奥深さに触れることができます。

写真:https://eiga.com/movie/88047/photo/
http://amass.jp/118576/
https://ameblo.jp/yashima1505/entry-12366714639.html
https://eiga.com/movie/87388/photo/


映画「ファンタスティック・プラネット」
[2019/05/19]

「ファンタスティック・プラネット」(1973年、ルネ・ラルー監督)はフランスのアニメ映画で、劇中に登場する生物の描写は、宮崎駿監督の『風の谷のナウシカ』の創作に影響を与えたといわれています。 高度な文明を持つ巨人ドラーグ族に虫けらのように扱われ、支配される人間たちが、ドラーグ族の知識を得て、反乱を起こす物語で、抑圧から逃れ、安寧の地を求めて荒野をさまよう人間の姿は、旧約聖書の出エジプト記を彷彿とさせます。 神話的な世界観とサイケデリックな映像、音楽が印象的で、一度見たら忘れられない名作です。『風の谷のナウシカ』と見比べると、面白さが一層増すと思います。アニメファンにお勧めの映画なので、機会があれば皆さんもご覧ください。

写真:https://s.webry.info/sp/ryanhisa-blog.at.webry.info/201606/article_10.html
http://mikimickle.hatenablog.com/entry/2015/05/20/015639


ドキュメンタリー「人間ってナンだ?超AI入門(NHK)」
[2019/05/12]

「人間ってナンだ?超AI入門」は、NHK教育テレビで毎週水曜日午後10時50分から放送されているАIと人間の関係を考察する番組です。 ナビゲーターは尾豊東大大学院教授と、哲学ナビゲーターで小説家の原田まりるさん。実際にAIが社会とどのように関わっているかを探る、理系と文系がシンクロする面白い番組です。 これまで「人間ってナンだ?超AI入門」は3つのSEASONがありましたが、現在はSEASON3、実践編が放映されています。 5月のテーマは「▽お金を使う▽身近なAI活用法」、「▽勝負するゲームから見える性▽テストのヤマAIが?」、「シーズン3 ▽自動運転その時人間は?」など。3本の中で特に興味深かったのは、「▽勝負するゲームから見える性▽テストのヤマAIが?」。 データから試験の出題傾向を探ったり、AIに小説を書かせたりする実験は、現在のAI技術がどれくらい進んでいるのかを理解するのにわかりやすい番組でした。毎回、目からウロコの斬新なテーマで、見ていると硬い頭が柔らかくなっていく感じがします。 AIよりも番組の方が、頭の受難度を高めてくれる。このような番組を作ることができるNHKは凄いですね。 それにしても原田さん、元アイドルだけあって、かわいい。この番組の魅力の1つが、彼女であることは確かです。

写真:https://site.garapon.tv/social_gtvid_view?gtvid=1SJP7FE11548603900


映画「ウェストサイド物語」、「グレーテストショーマン」
[2019/05/05]

特殊研究Ⅳで、アメリカのミュージカル映画『踊る大紐育』(1949)について論評を書く課題が出たので、今週は参考のためにミュージカル映画を2本、見ました。 『ウェストサイド物語』(1961)はシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』をもとにしたブロードウェイ・ミュージカルで、ポーランド系アメリカ人とプエルトリコ系アメリカ人の対立を描いた物語です。アメリカでは1952年に移民法が改正され、60年代に中南米からの移民が増加しますが、人種間の対立をテーマにしたミュージカル映画が作られた裏には、このような時代背景があったようです。 『グレーテストショーマン』は2017年制作の19世紀アメリカの興行師P.T.バーナムの人生を映画いたミュージカル映画、主演はヒュー・ジャックマン、音楽は『ラ・ラ・ランド』で歌曲賞を受賞したベンジ・パセック&ジャスティン・ポールのコンビが手がけました。物語は、P.T.バーナムが障碍者と一緒にサーカス団を結成して成功を納めるというもの。映画では人目を避けて生きていた障碍者たちがサーカスによって喝采を浴びるようになり、仲間や居場所を手にいれる様子が描かれています。この映画は観客から高い評価を受け、日本での興行収入は52億円を超えています。

2018年公開の「ボヘミアンラブソディ」もLGBTがテーマでしたが、最近はマイノリティをテーマにしたエンターテイメント映画が人気です。映画を見ると岡原先生がなぜこのような問題を社会学で取り上げているか分かります。映画を社会学の視点から見ると面白いですね。

写真:https://www.cinematoday.jp/news/N0098027
https://blog.goo.ne.jp/anpontan-toyoaki/e/928ac2f21f82ca7ae633ab5cfcafd8f6
http://kly.hateblo.jp/entry/20180220/1519127041


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