「ゴールデンカムイ」(野田サトル作)は、明治時代末期の北海道・樺太を舞台にしたマンガです。2014年から現在まで「週刊ヤングジャンプ」(集英社)の連載され、2018年に「手塚治虫文化賞」のマンガ大賞を受賞しています。2018年4月からはアニメも始まり、2018年8月時点で単行本の累計発行部数は800万部を突破している、近年では最大のヒット作です。この作品のに魅力は、スポットの当たりにくい時代の歴史と民俗学(特にアイヌ文化)を描いたところにあります。難しい文献ではなく、誰にでも理解できるマンガで歴史を描いているところが凄い。当時の北海道やアイヌ文化をマンガで知ることができる作品となっています。作者の野田サトルが北海道出身なので、自分のルーツと歴史、アイヌ文化を組み合わせることによって創作をしているのでしょう。当時の様子を丹念に調べているのでマンガにリアリティがあります。私の好きな谷崎ジローさんの作品のように、マンガが高い教養の、新しいアートになりえることを示唆してくれます。機会があればご一読ください。
写真:https://books.rakuten.co.jp/rb/15717935/