サクリファイスは1986年に公開されたロシア人監督アンドレイ・タルコフスキーが製作したスウェーデン映画です。
1986年のカンヌ映画祭において絶賛され、4つの賞を独占しましたが、この映画の完成後、タルコフスキーはパリで亡くなりました。
この1本を見ただけではの作品の難解さに直面するはずです。しかし、タルコフスキー監督の他の作品を見ると、彼が何を伝えたかったが理解できます。
自然を撮った映像の美しさと、その中でのたうち回り、慌てふためく人間の滑稽さ、ちっぽけさが相まって、心に沁み込むような映画となります。
サクリファイスとは生贄のことですが、そこにはキリスト教文化全体への寓意が込められています。誰かが生贄にならなければ核戦争は止められない。
映画の中の主人公は自分こそキリストの生まれ変わりではないかと妄想しますが、彼はキリストのように高貴ではなく人間臭い。
むしろ、彼はキリストを磔刑にしたローマ人のような感じがします。
この映画が公開されたのは30年前。でも映画の質は色あせていません。素晴らしい映画は本当に良いですね。
写真:http://cinefil.tokyo/_ct/17124437
http://stevenspielberg.hatenablog.com/entry/2017/11/17/203134