今回、紹介するのはフランスのリセ(高校)の映画です。
「奇跡の教室」(2014年)は、落ちこぼれのリセ(高校)の生徒が、1人のベテラン教師と出会うことによって考え方を変え、自分たちで設定した目標に向かって成長する姿を描いた、実話を基にした映画です。
監督はマリー=カスティーユ=シャール、主演はマリアンヌ・マスカリッド。
映画の中で、ベテラン教師は学生に、ホロコーストについて皆で考えることを提案します。
最初は乗り気でなかった生徒もホロコーストで殺された女性や若者、子どものことを知るにつれ、教師の出した問題に真剣に取り組むようになります。
圧巻はアウシュビッツを体験した老人が実体験を話すシーン。
人種差別に反対するユダヤ人の信念が感じられました。この映画を見るとフランスのリセの様子を知ることができます。
現在のリセには宗教の違う約30の人種、民族が在籍しているようです。日本の高校とは大きく違う。
大学や語学学校も同様で、私のクラスにも多くの人種、民族がいました。
私は個人的にカンボジア系フランス人の子と仲良かったのですが、彼女の家は昔、ポルポト政権の虐殺から逃れてフランスに移住してきたそうです。
それはホロコーストと重なって見える。移民国家は日本とは違った問題を抱えています。
民族が宗教や思想を乗り越えて、人としてどのように他民族と調和していくか、希望を感じることのできる映画でした。