読書・ビデオ鑑賞 2017年12月

映画 スター・ウォーズ「最後のジェダイ」
[2017/12/31]

「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」を観ました。映画の感想は、ルーカス・フェイルからディズニーに製作権が移って、 「手抜き感のある骨董品的映画になった」です。映画はシリーズ化したり良質な続編を作るのは難しいのですが、スターウォーズは続編になればなるほど内容が薄く、 ブランド頼りで保守的な映画になっています。新作にはルーカス・フィルム時代の極め細やかさ、独創性が一切ありません。 今回の作品は、父権、男性の権利が主張できた20世紀のノスタルジアに憧れるメロドラマ、わざわざ舞台設定を宇宙にする必要などないでしょう。 トランプ大統領を選んだアメリカ人の深層心理(家庭を取り戻したい)、家庭的苦悩が画面に滲み出ています。 この主題で映画を作るのであれば、家庭が崩壊した現代のアメリカや韓国を舞台にすれば、もっとリアリティが出たのでは……。 そろそろ映画も人間関係もヴァーチャルではやっていけないことを現代人は気づくべき時かもしれません。
私は昔を懐かしむ復古主義者ではありませんが、期待していただけにスターウォーズ・ファンとしてはちょっとがっかりでした。 ルーカスがディズニーに版権を売った理由は、「ルーカスはスターウォーズの作品を1作つくった後、毎回、病院に入院していた。 これ以上、作品を作ると死んでしまうから、6作で止めた」です。命を懸けて作る作品だから見る側も感動する。 やはり、良い映画を作るには監督、スタッフの情熱と協力、労力が必要なのです。

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アヴィニョン大学付属語学学校(SDL)の前期授業と「奇蹟の教室」
[2017/12/24]

12月22日(金)、クラスの前期授業が終了しました。
私は春にロンドン留学をしたのですが、フランスはイギリスと全く文化が違うので貴重な経験となったと思います。 思い返すとアヴィニョンに来たのは9月、あっという間に4か月が経ってしまいました。時が経つのがあまりにも早い。充実し、満足していたので、ちょっと寂しい気もします。 名残おしいのですが、これくらいで次のステップに進むのが好いのかもしれません。
個人的には日本文化に興味のあるカンボジア系フランス人のロリーンちゃんやスペイン系フランス人のクロエちゃんと仲良くなりました。 彼女たちと日本とフランス文化の違いについて話したのは楽しい思い出です。 2人とも「嵐」のファン。短い期間でしたが、みなさん、ありがとうございました。



今回、紹介するのはフランスのリセ(高校)の映画です。
「奇跡の教室」(2014年)は、落ちこぼれのリセ(高校)の生徒が、1人のベテラン教師と出会うことによって考え方を変え、自分たちで設定した目標に向かって成長する姿を描いた、実話を基にした映画です。 監督はマリー=カスティーユ=シャール、主演はマリアンヌ・マスカリッド。

映画の中で、ベテラン教師は学生に、ホロコーストについて皆で考えることを提案します。 最初は乗り気でなかった生徒もホロコーストで殺された女性や若者、子どものことを知るにつれ、教師の出した問題に真剣に取り組むようになります。 圧巻はアウシュビッツを体験した老人が実体験を話すシーン。 人種差別に反対するユダヤ人の信念が感じられました。この映画を見るとフランスのリセの様子を知ることができます。 現在のリセには宗教の違う約30の人種、民族が在籍しているようです。日本の高校とは大きく違う。 大学や語学学校も同様で、私のクラスにも多くの人種、民族がいました。 私は個人的にカンボジア系フランス人の子と仲良かったのですが、彼女の家は昔、ポルポト政権の虐殺から逃れてフランスに移住してきたそうです。 それはホロコーストと重なって見える。移民国家は日本とは違った問題を抱えています。 民族が宗教や思想を乗り越えて、人としてどのように他民族と調和していくか、希望を感じることのできる映画でした。

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映画 「いのちの戦場-アルジェリア1959-」、「シェルブールの雨傘」
[2017/12/17]

マルセイユ港から地中海を眺めた時、海の向こうはアフリカだと思い浮かべ、アルジェリア独立戦争のことを思い出しました。 アルジェリア独立戦争(1954年~1962年)、アルジェリアには200万人のフランス人兵が送り込まれ、アルジェリア人の死者が60万人に達した戦争です。 フランス政府はアルジェリア戦争を国内のテロ事件として位置づけ、1999年まで戦争があったことを公式に認めませんでした。 あれから50年、タブーだった独立戦争を監督フローラン・シリが、人間の残虐さも含めて正面から描きました。
「いのちの戦場(2007年)」はアルジェリアに派兵された元兵士のインタビューから始まり、フランス兵が起こした残虐行為にも話が及び、国際法で禁止されているナパーム弾の使用、拷問、住民の虐殺などフランス政府が隠してきた事実を映画の中で暴露しています。 アルジェリア戦争は、アメリカ人にとってのベトナム戦争のようなものです。フランスは文化大国ですが、政治的には革命を起こすような国民性を持っているので意外と暴力的。ある部分では恐ろしい国民。 主題が大きいので物語が散漫になっているのが残念ですが、戦争の非常さは十分に伝わってくると思います。
一方、「シェルブールの雨傘(1964年)」は恋人がアルジェリア戦争によって別れ、それぞれ別の相手と結婚するというロマンス映画。 カンヌ映画祭でグランプリを受賞しました。監督はジャック・ドミ、ミッシェル・ルグランの音楽がおしゃれで世界中でヒット。 映画の中で主人公たちはミュージカルのように曲に合わせてセリフを吟じています。 フランス人はこのような映画を作って、アルジェリア戦争の真実から目をそらしていたのでしょうか。同じ戦争でも監督や時代によって随分と描き方が違います。



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映画 「クリムゾン・リバー」
[2017/12/10]

「クリムゾン・リバー」(2000年)は、マチュー・カソヴィッツ監督、ジャン・レノ、ヴァンサン・カッセル主演の映画。 原作はフランスのベストセラー、ジャン=クリストフ・グランジェの「Les Rivieres poupres」。 2004年にはリュック・ベッソン脚本のオリジナル・ストーリー「クリムゾン・リバー2」が作られました。
映画は宗教と殺人が絡んだサスペンス・スリラー。 舞台はゲルノンという架空の大学都市で、映画の中ではゲルノンローヌ・アルプ地方の町という設定になっています。 今回、私が旅をしたローヌ・アルプ県の中心都市がリヨンです。 「クリムゾン・リバー」の最初のタイトルバックの映像は猟奇的な美に満ちた映像で、音楽も良く、私の好きなロック歌手ピーター・ガブリエルやキング・クリムゾンの音楽と通じるものがあります。 作り物とは言え、切り刻まれた死体の映像は心臓の弱い人には衝撃過ぎるでしょう。 マダムタッソーの蝋人形みたいなものだと思えば怖くないのですが、蝋人形でもリアルですから……。 それにしても、「プロヴァンスの恋」もそうですが、フランス映画は残酷な映像でも平気で公開します。 これは磔にされて血を流しているキリスト像を見慣れているからかもしれません。 日本の寺社には閻魔様はいても、血まみれではないですからね。ところでブザンソンに留学していた筑波大学の女子大生が行方不明になって1年。 11月になって、フランス警察も犯人の身柄引き渡しをチリ政府の要請したようです。1日でも早く事件が解決することを望みます。

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映画 「ビリギャル」
[2017/12/03]

「ビリギャル」は、坪田信貴の「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話(2013年刊)」を、2015年に土井裕泰監督、有村架純主演で映画した作品です。 高校2年で小学校4年生程度の学力しかない少女・さやかが、坪田の指導を受け、慶應大学に現役合格するまでを描いています。 映画には、さやかの奮闘ぶりや家族の絆がふんだんに盛り込まれ、慶應大学を受験する高校生たちに勇気を与えました。 この映画を見て、義塾を志す高校生も増えたと思います。
フランスにいて、突然、映画「ビリギャル」を紹介するのは唐突ですが、私は妹を通して実際にビリギャル体験をしました。 妹は高校2年6月の段階で英語の偏差値が37、それを見て、両親は彼女が慶応大学を受験するのをあきらめたようです。 高校3年9月、河合塾、駿台の記述模試の成績はE判定なので、一般的には慶應大学に合格するなど思いもよらないはずです。 ところが、妹は11月の文学部自主応募推薦に合格しました。両親も私も、この結果にはびっくり、「ビリギャル」は身近に存在したと驚いています。 文章が長くなるので、慶應大学自主応募推薦に合格するコツを手短に書いておきます。今後、推薦を受ける方がいたら参考にしてください。
①最後の1か月(11月)に集中して論文の対策をする。それまでに多読をして長文に慣れる。
②自主応募推薦は論文なので、論文指導には絶対に信頼できる先生を選ぶ。
③偏差値、判定を気にせず、まわりの状況に左右されない。
この3つのことを実行して、妹は大学に合格しました。大学受験に成功するには学校、塾、家族の協力が必要です。 私もフランスから受験対策の心構えなどのメールを送り、相談にのりました。周囲の協力があってこそ、何事も成しとげられる。 これから慶應大学文学部に入学を希望する方は、これらのことを気に留めて自主推薦に挑戦してください。きっと、希望が叶うと思います。

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