読書・ビデオ鑑賞 2017年2月

映画 「アラビアの女王(Desert Queen)」
[2017/02/26]

ヘルツォーク監督の映画、「アラビアの女王 愛と宿命の日々(原題:Desert Queen)」を見ました。
主人公ガートルード・ベルは、第一次大戦期にアラビア半島を放浪し、各地の伝承や情勢を研究した、民俗学者の先駆的な女性です。フィールドワークによって得たアラブ世界への理解は深く、ヨルダン、イラクの建国に尽力し、「イラクの無冠女王」と呼ばれています。「アラビアのロレンス」ことT.E.ロレンスも学生時代に彼女に会っており、アラブの独立を掲げて戦った彼の精神には、ガートルードの影響が感じられます。ガートルードがアラビアを旅した20世紀初頭、文化人類学者の間でフィールドワークが盛んになります。 西洋中心主義的な視点をあらため、民族の習俗を野蛮な風習ではなく民族の文化として記述するようになりました。これに呼応するように、日本では昭和初期に柳田国男の民俗学や柳宗悦の民芸運動が起こります。美術界ではアフリカ彫刻に影響を受けたピカソ、タヒチに行ったゴーギャンが登場します。学問、文化の領域で起こった民族運動はやがて、政治の領域にも達し、戦後の独立運動へとつながります。この流れの背景には大英帝国の繁栄と衰退があります。アラビアの女王の登場もこうした歴史の潮流の中でみると面白いですね。

今週見た番組
「大人のヨーロッパ街歩き・エジンバラ(日テレ)」、「ロンドンの旅(BBC)」、「ロンドンの地下世界」

写真:http://img.eiga.k-img.com/../images/movie/81523/photo/d19c2cd8ab9ef33c.jpg?1476847095
http://yagitani.na.coocan.jp/../imagejpg/gertrude01.jpg


映画 「ハムレット」
[2017/02/19]

映画「ハムレット」(1996年公開)を見ました。シェークスピア劇を数多く演じ、ローレンス・オリビエの再来と呼ばれるケネス・ブラナー監督・主演の映画です。 途中に休憩が入る4時間の大作ですが、最後まで飽きさせません。時代設定を19世紀に改めていますが、それ以外は原作に忠実で、セリフも舞台そのもので、シェークスピア作品の凄みに触れることが出来る作品に仕上がっています。映画というより、舞台をそのまま映像にしたような作品ですが、演劇のように役者の存在感や演劇の空気感が伝わってきます。 このような映画に出合えると幸運な気分に浸れます。イギリスに行ったらグローブ座にシェークスピアの演劇を見に行きたいですね。 ただ、演劇のセリフは詩的で聞きとりにくいことがあるので、上演されている作品を映画で見てあらすじを把握しておくと楽しめるでしょう。ですから、英語の勉強も欠かせません。

今週見た番組
「デビッド・ボウイの世界(NHK)」、「BS洋楽グラフィティー60’S~70‘S」、「ピーターガブリエル、POV(1990年)」

デビッド・ボウイ大回顧展『DAVID BOWIE is』2017 年1月8日(日)~ 4月9日(日)寺田倉庫G1ビル(天王洲)を観に行く準備のために、デビッド・ボウイや70年代のロックを見ました。そこでティナ・ターナーを発見しました。凄いですね。3月中頃、『DAVID BOWIE is』に行く予定ですが、楽しみです。

写真:http://feiyuir.up.n.seesaa.net/feiyuir/../image/A5D6A5E9A5CAA1BCA1A1A5CFA5E0A5ECA5C3A5C8.bmp?d=a1


映画 「Iron Lady」
[2017/02/12]

イギリス留学に向けて、イギリス関連のビデオを見ています。今週は2012年公開の伝記映画「サッチャー 鉄の女の涙(原題:Iron Lady)」を見ました。マーガレット・サッチャー(1925年~2013年)は英国初の女性首相(在任:1979年~1990年)で、ハイエクやフリードマンの新自由主義を取り入れ、英国経済を立てなおしました。断固とした態度と共産主義への強硬的な姿勢から「鉄の女」として知られています。映画では、認知症を患った老後のサッチャーが過去を振り返る形で、彼女の人生が描かれていました。食料雑貨店の家に生まれ、オックスフォード大学へ進学、保守党議員、教育相となり、75年に保守党党首、79年に首相に就任します。在任中はフォークランド紛争や規制緩和による経済立て直しを行っています。映画を見ると、サッチャーが、保守党員だった父アルフレッドの影響を受けていることや、フォークランド紛争に対する強硬姿勢、IRAのテロリズムの脅威、家庭生活との葛藤の様子が良くわかります。ところで、昨年末に英国のEU離脱が決定しましたが、サッチャーは晩年、欧州統合に懐疑的な姿勢を示し、批判にさらされます。このことに授業で接する機会がなかったので、映画を見ても、近代史の理解が深まることを実感しました。どの領域でも、考察するモチーフを与えてくれる情報は貴重なのですね。

写真:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/f/f7/Iron_lady_film_poster.jpg


イギリス史
[2017/02/05]

4月からイギリスへ行くので、イギリス史の勉強をしています。
今週は近代イギリス史、とくに英国王室関連のビデオをみました。ヴィクトリア女王や結婚を理由に退位したエドワード8世、7日に即位65周年を迎えるエリザベス2世などです。時代ごとに王室が国民の模範やモデルになり、ファッションやライフスタイルをリードしていたことが良くわかります。ヴィクトリア女王は「国の母」良妻賢母として振る舞い、産業社会と共に生まれた恋愛結婚、核家族のモデルとなりました。また、1920年代に人気になった世は当時流行した自由主義をリードしています。最先端の文化を取り入れ、王室はブランドとして文化的に英国を引っ張ってきたといえるでしょう。
ところで、近代史を学ぶと日本も天皇と共に感性が移り変わっていることがわかります。 明治天皇は近代帝国主義を、昭和天皇はアメリカ民主主義、今上天皇はインターネットをもたらしました。 皇室は英国王室をモデルにしていますが、国の元首として新しい文化や価値をもたらし、精神面で国民をリードしていくのが、王や天皇の務めと言えるでしょう。

写真:https://431px-Queen_Victoria_-Golden_Jubilee_-3a_cropped.jpg
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/e/ef/A022344.jpg
http://looksfilm.tv/en/edward-and-georgea.jpg
http://i.gzn.jp/img/2008/04/24/the_queen_in_portraits/queen_elizabeth_20_m.jpg
http://wallis-simpson-Sco_2123536b.jpg


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