読書・ビデオ鑑賞 2017年1月 |
ドラマ「BONEKICKERS」
[2017/01/29]
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英BBC制作のドラマ「BONEKICKERS」を見ました。
考古学者が歴史に隠された謎を発掘によって解き明かしていく物語で、テンプル騎士団、アメリカ独立戦争、ブーディカ、ジャンヌ・ダルク、バビロニアなど歴史の重大事件が各回のテーマになっています。
漫画のような劇的なストーリーですが、英国人の気質が良くわかるドラマです。シャーロックホームズに代表されるように、イギリス人はミステリー好き、しかも歴史が絡む歴史ミステリーが特に大好きです。
そういえばこの前見た「大聖堂」も歴史ミステリーでした。 写真:http://whysoblu.com/bonekickers-blu-ray-review/ |
「もう親を捨てるしかない」「続・下流老人」
[2017/01/22]
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もう親を捨てるしかない:介護・葬式・遺産はいらない
社会学特殊Ⅵのレポートで、「高齢社会と介護問題」について論文を書きました。
参考文献として島田裕巳『もう親を捨てるしかない』と、藤田考典『続・下流老人』を取り上げました。
『もう親を捨てるしかない』で島田は、介護殺人や介護心中の原因が、介護疲れや親の遺産や年金への依存であることを指摘、親を捨てることで、親から自立する必要性があることを説いています。
続・下流老人:一億総疲弊社会の到来 |
映画「海賊と呼ばれた男」
[2017/01/15]
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新宿バルト9で映画「海賊と呼ばれた男」を見ました。
出光興産の創業者、出光佐三をモデルの主人公、國岡鐵蔵が利権やアメリカ資本と闘いながら、一代で石油会社を興していく物語です。
原作の百田尚樹の小説は2013年に本屋大賞を受賞した人気作で、高校生の時に私も読みました。
映画では「店主(國岡鐵蔵)のためなら」と、泥と油まみれになりながら過酷な仕事をこなしたり、紛争によって包囲されたイランに石油を取引に行ったり、命がけで仕事をする社員の様子が描かれています。調べてわかったのですが、こうした話は実話をもとにしています。実際に出光のタンカー日章丸は、1953年に英国との紛争で包囲下にあったイランのアバダン港から、英海軍の包囲網や機雷原をかいくぐり石油を輸入しています。当時の社員は復員した世代、二度と英米には負けたくない、荒廃した日本を再興しなければならないという気概があったのでしょう。「海賊と呼ばれた男」では、そうした、男たちの姿を美しく描いていました。
写真:http://kaizoku-movie.jp/ |
「この世界の片隅に」
[2017/01/08]
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![]() 先週、「この世界の片隅に」を広島の映画館で見ました。昭和初期から終戦にかけての広島と呉を舞台にしたアニメーション映画です。 私の祖母は実際に呉の空襲を受け、我が家は原爆の被害にあっているので複雑な気持ちで映画館に入りました。 戦争を扱う映画は悲劇的、感動的に描かれますが、この映画は全体的にやさしい、ほのぼのしたテイストの作品で、戦時下の呉に生きる家族の日常が描かれています。 戦争があっても毎日の生活は変わらない。でもやっぱり、そこに戦争が影を落とすのです。日常生活の温かさが伝わってくるだけに悲しく、自然と涙がこぼれました。 「君の名は。」の影に隠れて目立たない映画ですが、近年まれにみる名作。 社会学者の宮台真司教授も絶賛しているので、是非、観に行ってください。家族の良さが伝わってくる、そんな映画です。 写真:http://image.eiga.k-img.com/images/movie/82278/photo/88e7568512978c41/640.jpg |
近森・工藤 「無印都市の社会学」
[2017/01/01]
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無印都市の社会学 課題で社会学専攻の近森先生の著書「無印都市の社会学」を読みました。 フランフランやドンキホーテ、モール、家電量販店などを題材に、どこにでもある日常空間を論じています。 LGBTや障害者、芸術家、オタクなどの特殊な話は出てきません。 社会学はLGBTや障害者、芸術家、移民、オタクなどマイノリティを研究するタイプと、大衆文化や消費社会、流行などオーソリティを研究するタイプに分けられますが、近森先生の「無印都市」はオーソリティの社会学です。 マジョリティ、マイノリティの概念は面白く、都市空間、都市文化にもマイノリティのディープでコアな空間、文化とマジョリティ的な大衆空間、大衆文化があることが分かります。 最近は古墳巡りや美術展鑑賞がブームになっていますが、ブーム以前からのファン層とブームに乗って関心をしめすライトなファン層とは根本的な違いがあります。 同じ美術館に行くのでも、目的の覧会の質が違うのかもしれません。 そうしたことを踏まえ、ディープなマイノリティとライトなマジョリティという概念をもとに、都市空間・文化について思索を巡らせています。 |