読書・ビデオ鑑賞 2016年11月

「ねほりん、ぱほりん」
[2016/11/27]

最近、NHKの「ねほりん、ぱほりん」というトークバラエティー番組にはまっています。
「人形劇×トークバラエティー」をコンセプトにしたトーク番組で、モグラの人形に扮した司会が、子豚の人形に扮したゲストに「根掘り葉掘り」話を聞きます。 かわいらしいキャラクターとは裏腹に「保育士」や高学歴の男しか興味が無い「ハイスペ婚の女」、「痴漢冤罪経験者」などをゲストに迎えた社会学的な番組で、 普通の番組では聞けない裏話や黒い話が飛び出します。
顔の映る実写だと生々しすぎて不快感を覚えるような内容の話を、コミカルな人形に語らせることでオブラートに包んで放送しているのが、この番組の凄いところ。 今年夏に公開された「シン・ゴジラ」も原発問題を扱った社会派映画ですが、「ゴジラ」というファンタジーによって、凄惨な現実をカモフラージュしています。 「ファンタジー」×「社会」は最近の社会派番組の潮流となっています。コミカルなキャラクターが社会の闇の深い話を語る姿は、ブラックジョークに似たシュールな笑いを誘います。

写真:https://pbs.twimg.com/profile_../images/778491909434073088/5H0gQVli_400x400.jpg
http://www4.nhk.or.jp/nehorin/
https://pablo.click/tv/wp-content/uploads/sites/2/2016/10/nehohapo3-340x196.jpg


「Produced By Trevor Horn: A Concert For Prince Trust」
METAFIVE「META」「METAHALF」
[2016/11/20]

2004年にウェンブリー・アリーナで行われたトレバー・ホーン25周年記念コンサート”Produced By Trevor Horn: A Concert For Prince Trust”」のビデオを見ました。 トレバー・ホーン(1949年生)は80年代を代表する伝説的なプロデューサー。 ”Produced By Trevor Horn: A Concert For Prince Trust”ではトレバー・ホーンがプロデュースを手掛けたバンドが集結し、”Video Kill The Radio Star”(バグルズ)や”Owner of Lonely Hart”(YES)、" Il pleure”(アート・オブ・ノイズ)、” Left to My Own Devices”(ペット・ショップ・ボーイズ)、”Dr.Mabuse”(プロパガンダ)、”Relax”(フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド)などの往年の名曲を演奏しています。 私、1980年代の音楽が好きで、高校の時から学校の行き帰りにペット・ショップ・ボーイズやイエス、バグルズを聞いていました。 トレバー・ホーンの事は今回のライブを見て初めて知ったのですが、彼の手掛けた曲は、曲を構成する音にエッジが聞いて、音楽的に洗練されている感じがします。 ベース、ドラム、ギター、シンセなど、それぞれのメロディラインが完成しているので、独立した音が重なって、立体的に聞こえます。 ビートが効いているので曲全体に安定感があり、音のない余白の部分が曲に雰囲気を持たせて深みを出します。こうした特徴を基礎にして、それぞれのバンドの個性が出ているので1980年代の音楽は面白い。 80年代というと、父親が大学生の頃ですが、こうした音楽が日常に溢れていたのかと思うと羨ましいですね。 私は2011年、中学3年生の時にトレバー・ホーンがプロディースしたジェフ・ベックのコンサートを見に行ったのですが、あれがホーンの音だったのだと思い返しているところです。
ところで先日、友人が「METAFIVE」という若手バンドのアルバムを貸してくれました。聞いてみると、カッコいい。エッジが効いていて、80年代の音楽に通じるものがあります。 アート・オブ・ノイズやトレバー・ホーンの影響を受け、80年代の音を意識しているのではないでしょうか。ファーストアルバム「META」の一曲目、Don’t Moveがお気に入りです。 METAFIVEは2014年に結成されたバンドですが、音楽性が高く今後の活動が楽しみです。

写真:https://www.discogs.com/ja/Trevor-Horn-Produced-By-Trevor-Horn-A-Concert-For-The-Princes-Trust-Live-At-Wembley-Arena-London-200/release/947525


ヴィム・ヴェンダース 「パリ、テキサス」
[2016/11/13]

「パリ、テキサス」を見ました。ヴェンダースは60年代~80年代にかけて興ったニュー・ジャーマン・シネマを牽引したドイツの映画監督で、「パリ、テキサス」「ベルリン天使の詩」「さすらい」などの代表作があります。
「パリ、テキサス」は男(主人公)が荒野をさまようシーンから始まります。最初の場面では、男は終始無言で、何者なのかわかりません。しかし、物語が進むにつれて、男の名前や素性、荒野を彷徨っていた目的などが徐々に明かされていきます。妻と離別し、息子とも別れた男は、自らの両親が出会った男にとって理想の土地、テキサス州のパリを目指して荒野を彷徨っていた。弟、そして息子のハンターと再会、人間性を取り戻した主人公トラヴィスは、息子の希望で妻を探しに2人でヒューストンに向かい、そこで、妻ジェーンが「のぞき部屋」で働いていることを知ります。客としてジェーンの元を訪れ、マジックミラー越しに、過去の話を切り出すトラヴィス。ここで初めて、愛ゆえに彼女を束縛し、それが原因で二人は破局となった2人の過去が明かされます。トラヴィスは息子ハンターには母が必要だと、ハンターの待つホテルの部屋だけ告げのぞき部屋を後にします。そして、ハンターとジェーンが再会したことを見届け、去っていくのです。
この映画では理想と現実に揺れる人間の姿が象徴されていると思います。人間関係、恋愛に限らず、私たちには日々様々な問題が降りかかります。はじめのうちは問題の原因がわかりません。問題が起きていることにさえ気づかないこともあります。それが、試行錯誤するうちに本質が見えてくるようになる。そして、アクションを起こして、それを直視し、受け入れるのです。荒野を彷徨っているような漠然とした問題意識から、問題の認識、直視へと至る過程がこの映画で描かれているのではないでしょうか。
それにしても、1980年代の映画は、現在見ても感動します。バーチャルではない、現実の中で映画はまだ生きていたのですね。

写真:https://../images-na.ssl-../images-amazon.com/../images/I/51ZcYwtEE5L.jpg


『福沢諭吉の「何にしようか」 レシピ集 一〇〇年目の晩ごはん。』
[2016/11/06]

復刻料理 現代版
ワニマガジン社

『時事新報』という新聞があります。福沢諭吉によって創刊され、慶應義塾出版局が出版していました。
政党色の強かった新聞の創成期にあって「不偏不党」を掲げ、経済面が充実していた時事新報は人気を博し、「報知新聞(現読売新聞)」「東京朝日新聞(現朝日新聞)」「東京日日新聞(現毎日新聞)」「國民新聞」と並んで、五大新聞に数えられました。 紙面には福澤諭吉による社説もあり、そこで書かれた「脱亜論」は有名です。
時事新報では、5面刷りを採用し、日本で初めて漫画を掲載したり、レシピを掲載したりするなど現代の新聞につながる画期的な試みを行っていました。

『福沢諭吉の「何にしようか」――レシピ集 一〇〇年目の晩ごはん。』は時事新報の家庭欄に明治26年9月24年~明治27年2月18日にかけて連載されたレシピ集を復刻したものです。 掲載当時の記事に加え、調理法を現代向けに復刻したレシピが載っています。今と昔のレシピの比較ができて面白いです。
現代のレシピは「砂糖大さじ○杯……」「○○を☓☓分ほど煮る」というふうに食材の量や調理法が細かに書かれていますが、時事新報のレシピでは「○○を☓☓を作る」という具合に説明がアバウトです。 当時はガスもなく、味噌などの食材も手作りで、調理法も家庭ごとにこだわりがありました。 レシピ集からアイディアをもらって、庭の味に合わせて料理を作っていた主婦の姿が想像されます。
時事新報の献立欄はレシピというより、アイディア帳だったのかもしれません。今度、僕も何か作ってみようと思います。さて何にしようかな。


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