グルメ 2016年3月 |
Les Trublions
[2016/03/27]
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今回はパリ旅行で訪れたレストラン、Les Trublions。 フランス料理は濃厚な味と量が多いのが特徴的ですが、最近は日本食のような軽い料理が人気です。2000年代以降、健康志向やアニメの流行から、 フランスで日本食ブームが起こり、数多くの日本食レストランがオープンしました。かつては、中国系や朝鮮系の移民が経営していた日本食レストランも、 最近では日本人が直接、本格的な和食料理店を経営するようになってきたそうです。また、人気のレストランで日本人シェフが活躍しているとか。 あっさりした料理の流行は、日本食の影響と考えられます。絵画では20世紀初頭、モネなどジャポネズムが流行しましたが、 現在のフランス料理の流行は食のジャポネズムなのかもしれません。 ![]() ![]() |
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駒形どぜう 浅草本店
[2016/03/20]
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![]() 日本文化研究会のブログをアップしたので、今回は江戸時代後期に庶民が愛した「どぜう鍋」の紹介です。 どぜう鍋は19世紀初頭、浅草周辺で創作された料理。 甘辛い割り下を入れた小さな丸鍋にどじょうを乗せ、炭火であぶり、薬味のネギやゴボウと一緒に食する鍋で、現在では東京下町の名物となっています。 享和元年(1801年)、駒形どぜうの初代当主“越後屋助七”が考案したと考えられています。 浅草には駒形どぜうの他、永井荷風が通った飯田屋があり、東京の下町の味となっています。 現在、商家造りの駒形どぜうでは大きな板間で鍋を食べることができます。風情があり格別。 私は大学で江戸文化の勉強をしているので、どぜう鍋を食べながら時代の雰囲気に浸っています。 江戸時代、美味しい物は上方にあったと思われがちですが、当時の文献を読むと、むしろ上方の人が江戸料理を食べたがっていたことがわかります。 世界中の人が日本の伝統的な料理だと考えている和食の代表は江戸前寿司、うなぎ、てんぷら、そばなど江戸を中心に発達したB級グルメ。 今も昔も江戸の人はファーストフードが好きだったようです。 駒形どぜうでは、どじょう鍋の他、柳川鍋、なまず、鯉、鯨料理を食べることができます。 普段、食することができない料理なので、機会があれば召し上がってください。 |
![]() ![]() ![]() 永井荷風の通った飯田屋 |
アテスウェイ (a tes souhait)
[2016/03/13]
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![]() 今週はフランス週間なので、おいしいパティスリーのお話。 紹介するのは東京女子大学の前にあり、いつも大勢の買い物客で賑わっている「アテスウェイ」。「食べログ・ケーキランキング全国1位」の店。 オープンは2001年11月。店名の「a tes souhait!(あなたの願いがかないますように)」はフランス語で、誰かがくしゃみをした時、反射的に発するお呪いのような言葉。 オーナーの川村シェフ(1971年、新潟県生)は内外のケーキコンクールで数々の輝かしい賞を獲得しています。 ケーキはゲランド産の海塩、有塩バター「ブール・ドゥミ・セル」を使ったキャラメルベースのブルターニュのお菓子。本場、フランス人の舌もうならせています。 母親がこの店のファンだったので、私は物心ついた時からアテスウェイのケーキを食べていました。子供の私には濃厚で本格的なケーキの味が理解できず、さっぱり系のケーキを美味しく感じる時期もありました。 しかし、成長するにつれ、ここのケーキの美味しさが理解できるようになった気がします。フランス文化の勉強をするにつれ、ケーキの味わいも深まるようです。 フランスのケーキと日本の和菓子を比べると面白いですね。 フランスのケーキはデコレーションが派手で、「私を見て」とアピールする感じ、ブルボン朝のデザインを連想させる奇抜なものもあります。 一方、和菓子は自然に則したデザインで、アピールも地味。邪魔にならない程度に存在し、風味を味わう感じ。 両国のお菓子を比べると、風土や環境が大きく影響していることが理解できます。「お菓子の現象学」で論文を書けそう。 現在、私は和菓子派ですが、パリに行くと洋菓子派になりそうな予感。と、すぐにかぶれるのですが、快楽主義者であるフランス人を見習って、両方を欲張って味わいたいと思います。
アテスェイのケーキ、本当に美味しいですよ。一度、食べてみてください。
「a tes souhait!」の案内はここをクリック
営業時間:11:00 ~19:00 月曜定休(月曜祝日の場合は火曜お休み) 東京都武蔵野市吉祥寺東町3-8-8 カサ吉祥寺2 tel. 0422-29-0888 |
![]() 川村さんの作品
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アリゾナキッチン
[2016/03/06]
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慶應大学、フランス、グルメと言えば、浅草にある永井荷風が通ったアリゾナキッチンを思い浮かべます。
この店は「断腸亭日乗」にも登場する店で、先生のお気入りはチキン・レバー・クレオールとビーフ・シチュー、いつも同じ席で食事をしていたそうです。
店内に荷風の写真も飾ってあります。
私は来週、「フランス物語」を読む予定です。この本は1909年に「風俗壊乱(風俗を乱すこと)」を理由に発禁処分を受けます。
その翌年、荷風は森鴎外の紹介で慶應大学文学部の主任教授に赴任しました。
発禁処分を受けた新進気鋭の作家を教授に迎えるところが、なんとも慶應らしい(笑)。
「アリゾナキッチン」の案内はここをクリック |
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