美術・音楽 2020年12月

「ハッピーちゃん」とアフリカ彫刻
[2020/12/27]

これまでの創作活動を振り返ると、パレットクラブの展覧会が、季節ごとに開催されていたおかげで創作意欲がわいていたことがわかります。忙しくても、展覧会に出すために創作時間を作っていました。それが今年はなかったので、作ったのもラインのスタンプだけ。三田祭がなかったのが残念です。展覧会に出品すると多くの人に作品を見てもらうことができ、そこで知り合った人たちと仲良くなれます。 毎年、1回は一緒に展覧会に東京大学のU君などは、今から4年前、新宿のエコギャラリーで開催された「四美展」で知り合った友人。他の大学の人と知り合いに成れるのが、共通の趣味を持つ良さです。あの展覧会に初めて、ゆるキャラ風の作品を発表したのですが、それ以降、ゆるい絵ばかり描いています。それで行き着いた先が、11月に作ったLINEのスタンプ。一体、私はこのような絵を描いて何を表現したかったのか? そうだ、思い出した。ここにある「ハッピーちゃん」、コレクションのアフリカ彫刻にヒントを得て制作しました。あの頃はエスニックな美術に興味を持っていた。しかし、「ハッピーちゃん」を見て、誰もこの作品が彫刻から発想したことなどわかりませんよね。作品を見ると当時のことが蘇ってくるのが面白いですね。


展覧会に行かないと想像力不足に陥る
[2020/12/20]

12月に入り、新型コロナウイルス感染者数が増加しています。感染拡大が続く広島市は美術館、博物館の一時閉鎖をきめたとか。今年の3月頃を思い出します。ブログを書いていると便利なのは、自分がこれまで行った展覧会のことを思い出すことができます。大学時代の12月を振り返ると、2016年は「小田野直武と秋田蘭画展」(サントリー美術館)、2017年は「「HIP-HOP展」(マルセイユ現代美館)、 2018年は「「アジアにめざめたら アートが変わる、世界が変わる1960‐1990年代」(国立近代美術館)、2019年は「ハプスブルグ展」に行きました。どれも面白い展覧会でした。美術の面白さは、美術品を通して、時代や各国の社会情勢を知ることができることにあります。秋田蘭画を見れば江戸時代の佐竹藩、ハプルブルグ家の肖像画を見ればスペイン王室、ヒップホップ展を見ればアメリカ文化を知ることができます。美術に興味がない人にとっては、展示品は美術品など何かわからないオブジェですが、美術愛好家はそこに含まれた意味を探ることで異次元感覚を体験しています。最近、コロナ禍で家に閉じこもっていると、以前のように自由自在に異次元空間をさ迷い歩くことができません。それが、人の想像力を奪ってしまう。コロナ禍を経験すると、展覧会が人間の想像力を喚起してくれる有効な手段であることが身に沁みます。展覧会では、読書や映画鑑賞では味わうことができない世界が広がっている。もう一度、それを味わいたい!

写真:http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2016_5/display.html
https://www.museum.or.jp/modules/topNews/index.php?page=article&storyid=4243
https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2019haus_habsburg.htm


就職先とアート感覚
[2020/12/13]

幼い頃から美術的な環境で育った私は高校時代、美術大学に進学することを考えたことがあります。しかし、その方面への進学はあきらめました。理由は、才能と生業の問題。アーチストは才能がなければ生き残れないし、ファインアート方面に進んだ場合、学校の先生か学芸員でしか生活できないと思ったからです。それで「美術を趣味にする」を選択しました。就職活動を行い、最終的に内定をもらったのは機械メーカー。多くの知人は私が機械メーカーに就職することが意外だったようです。大学の研究や活動と就職先が異なっている。しかし、私自身、就活中、アート感覚を忘れたことはありません。その結果、たどりついたのが、インダストリアル・プロダクツを開発、販売する機械メーカーでした。最近、AIの活用や自然環境問題が拡大し、その影響を受けてアートの概念も変わりつつあります。私にとって最先端のアートは、コロナウイルス対策のできるインダストリアル・プロダクツ。それに関連する仕事がしたいと考え、機械メーカーを志望しました。感覚的に言うと、今夏、知ったオラファー・エリアソンのアートが、それに近いですね。ダヴィンチが出現して以降、インダストリアル・プロダクツとアートの融合が始まりました。現代社会において、優秀なインダストリアル・プロダクツはアートに近づいていると言えそうです。

写真:https://www.nikkan.co.jp/jinjis/index/2015-11-26/2020-04


慶應義塾大学パレットクラブOBへのインタビュー
[2020/12/06]

土曜日に慶應義塾大学の美術サークル「パレットクラブ」OBの大先輩であるI様にオンラインでインタビューしました。I様は今年80歳を超える大御所で、昭和時代のパレットクラブを知っている方です。石原裕次郎や加山雄三、慶應生が湘南を闊歩していた頃の先輩です。本当は直接、お話を聞きたかったのですが、このような状況なので、パレットクラブOBと3人でのオンライン・インタビューとなりました。
面白かったのは、1960年前後に、先輩の芸術家を山食に迎えて講演会を行っていたこと。講演会には、岡本太郎氏や猪熊弦一郎氏が来ていたようです。I様の話によると、ある部員が岡本氏に「絵を描くときにデッサンをする必要があるのですか」と聞くと、「それは汽車が走っている時代に馬車に乗るようなものだ。自由に絵を描きなさい」とアドバイスしてくれたそうです。
もう一つ、I様に聞いた話で面白かったのは学生運動の話。I様は1960年の学生運動に巻き込まれたと話していました。昨年、私は都倉ゼミで1969年の学生運動の研究を行ったのですが、60年と69年では、様子が随分と違っていました。
ちなみに、私は昨年、都倉ゼミで「パレットクラブ120年史」を卒論にし、OBのインタビューをアーカイブ化しようと考えていました。しかし、コロナ禍でその案は不可能に。I様はネットが使えるのですが、多くの80歳代OBはオンラインではインタビューができません。もしコロナ禍がなければ貴重なインタビュー集ができたのではないかと考えると本当に残念に感じています。このインタビューは都倉先生に資料として渡す予定です。最後になりましたが、インタビューに参加してくださったI様、ありがとうございました。

写真:https://keio-paletteclub.jimdofree.com/history/


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