美術・音楽 2020年9月

空気について
[2020/09/27]

来年、就職するのは空気や空調に関係する企業です。そこで美術史に空気がどのように扱われてきたか、簡単にまとめて見ました。ポイントは8つ。 ①古代ギリシャ時代に4元素(空気、火、水、土)の1つだと考えられていた空気。②ルネッサンスを経て、レオナルド・ダ・ヴィンチによって描かれた空気。ダ・ヴィンチは空気を描いた最初の画家である。③宋時代、気韻という概念をもとに空気を描かれた東洋の水墨山水画。④西洋や中国の山水画とは別に、独自に空気を描いた長谷川等伯の「松林図」。⑤近世になって描かれた明の画家・八大山人の水墨画や李朝白磁に染付で描かれた秋草文図。⑥自然の中に物の流れをとらえて絵画作品を制作したセザンヌ ⑦余白(空気)を描く現代美術家・李禹煥の絵画作品 ⑧自然からエレメントを抽出して表現する現代作家オラファー・エリアソンの作品。
8つの概念は思いつくままに挙げた作家や作品ですが、面白いのは古代ギリシャでは空気が元素とされ重要なエレメントになっていますが、東洋では5行(木火土金水)の中に空気は入っていないことです。それは東洋人によって空気がモノではなかったからでしょう。今回、新型コロナウイルスによって現代社会における空気が物質であることが再認識されました。それは東洋人がこれまで感じていた「空気」とは異質の空気でしょう。「空気が読めない」という言葉がりますが、それは人間関係に関する言葉で、自然の空気を表す表現ではありません。熱された空気、地球温暖化も含めて、これから「空気」に対する考え方が社会の中で重要度を増していくことは間違いありません。それをこれから半年間、考察していこうと思います。


「MANGA都市TOKYO ニッポンのマンガ・アニメ・ゲーム・特撮2020」
[2020/09/20]

2020年8月12日~11月3日
新国立美術館

「MANGA都市TOKYO ニッポンのマンガ・アニメ・ゲーム・特撮2020」に行きました。本展はタイ、ミャンマー、フランスで開催された日本が誇るアニメーションの展覧会の凱旋展で、海外の展覧会にマンガ都市である東京をプラスした企画展となっています。会場の中央に東京の模型があり、その向こうのスクリーンや各所にある小さなモニターに様々な作品が映し出されています。また、会場には江戸時代から近未来まで、東京を舞台にした漫画、ゲーム、アニメなどの作品が展示されており、これを見ると、日本人のマンガ好きを簡単に理解できます。それは中世の「鳥獣戯画」などの絵巻物、江戸時代の「浮世絵」などから培われてきたものでしょう。東京はゴジラに破壊された後、エヴァンゲリオンやアキラに登場するネオ東京のようになるのか? 時代背景や都市の風景と融合させて作品を見ると新たな発見があり、面白さが倍増します。童心に帰ることのできる楽しい展覧会でした。

写真:https://artexhibition.jp/exhibitions/20200710-AEJ265507/


「point 0 marunouchi」
[2020/09/13]

「point 0 marunouchi」は、千代田区丸の内にある未来志向のコワーキングスペースです。このスペースは、働く人の身体性や室内の温湿度や内装のデザイン、照明、音、香り、アルコールを含む飲食など、さまざまな要素のデータとして収集・分析し、コンテンツやサービスの創出する実証実験の場です。2018年7月にオープン、17の企業が現在、この実験に参加しています。
週初め、「point 0 ignite 2020 summer」に参加したので、実際のオフィスを見せてもらうために事務所に連絡し、水曜日に「point 0 marunouchi」に行きました。案内してくださった社員の方によると、オフィス見学に来るのは多くが入居希望者や企業の人たちで、大学生が来るのは珍しいとのこと。来年、入社する企業がこの企画に参加していること、「point 0 ignite 2020 summer」を見たことを話すと、社員の方も納得し、丁寧に最新オフィスのことを説明してくださいました。各企業が趣向を凝らしたオフィスは快適で、美的感覚も抜群。このようなオフィスで働けると、気持ち良いでしょうね。ところで、数カ月前まで、自分がこのような場所に来るようになるとは想像すらしていませんでした。何の縁で人生が変わるのか、不思議な気持ちになります。母親がオフィスのインテリア・デザイナーなので、身近だと言えば身近ですが…。興味のある方は、1度、「point 0 marunouchi」に行ってみてください。未来のオフィスを体験できると思います。

写真:https://www.bcnretail.com/market/detail/20190708_127616.html


あるがままのアート展
[2020/09/06]

2020年7月23日~9月6日
東京藝術大学美術館

「あるがままのアート」展を見に行きました。この展覧会は先々週、行こうと思っていたのですが、予約制でチケットが取れなかったので先週となりました。「日曜美術館」で紹介されたのと、展覧会が無料なので、人気が出て、チケットが取りづらくなっていたようです。展覧会場に入ると、いつもの展覧会とは違った雰囲気があります。それもそのはず、ここに展示されている作品は、美術教育を受けていない障害者が描いたからです。教育を受けていない分、表現が純粋で自由な感じがあります。それに粘り強く作品に執着する姿勢が感じられます。健常者であっても、他人の目線ばかりを気にして自分の世界を持てない人や迷っている人が多いのですが、障害者が独自の世界観を表現する力を持つことは驚きます。エイブル・アートが注目されるようになったのは20世紀後半ですが、それがこのような形で展覧会になるのは有意義だと感じます。この展覧会は私にとって人間の可能性を広げてくれた展覧会でした。


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