美術・音楽 2018年9月

高橋睦郎の朗読会
[2018/09/30]

26日(水)、西荻の「数寄和」で詩人・高橋睦郎さんの新作の詩の朗読会がありました。高橋睦郎(1937年~)は日本を代表する詩人、歌人です。 貧しい家庭で育ちましたが、学生時代から詩作、今年、30冊目となる詩集「つい昨日のこと-私のギリシャ」を発表、今回はその朗読会でした。 私はこれまで詩人・長沢哲夫さんやパフォーマーの霜田誠二さんの朗読を聞いたことがありますが、本格的な詩の朗読を聞くのは初めてです。 この詩集は高橋睦郎がギリシアを旅しながら詠んだ詩が収められており、詩を聴いていると古代ギリシアの遺跡を訪れた高橋の思いが伝わってきます。 詩人は、旅をしながらもの思いを巡らせるものなのですね。朗読会に来ていた人を見渡すと年配の方ばかりで、若いのは私くらい。 それを見て高橋さんが「君も詩を書きなさい」と勧めてくださいました。 有名な詩人の方から直接、声をかけてもらえたので感動もひとしお。 早速、家に帰って詩作を行いました。 このホームページで川柳を発表していますが、 これからは少し芸術的な詩を書いてみようかと思っています。

気がつくと 私という島はギリシアになっていた
そのことを認めた日から私はギリシア人
私はギリシアを呼吸した すなわち自由を
何処にも存在しない 真空のような自由を (「94 ギリシアとは」)

30日(日)には「西荻ワークショップ・アートマップ」の「ほびっと村学校」の動画製作でお世話になった舞踏家・櫻井郁也さん(1964年~)の舞踏「ダンスソロ 白鳥」を中野のプランBに観に行きました。 これまで私はロンドンやパリでダンスの舞台を何回か見ましたが、日本独自のダンスで型がない舞踏舞踏公演を観るのは初め。 骨と皮だけの修行僧のような姿、ブッダのような動きになったり、女性のような姿になったり、身体表現が変幻自在でした。 高橋睦郎さんが詩で自由になるならば、櫻井さんは身体で自由を獲得しているようです。筋肉の動きや表情、肌の質感など、動きの一つ一つが美しくて迫力がありました。 音楽やスポットライトの当て方、影の表情も面白かったですね。
ところで、夏休みにユーチューブ動画の製作を初めて以降、様々な芸術家の方と出会う機会が多くなりました。 最近、確実に自分がАBR(アート・ベース・リサーチ)の活動を行っている、芸術が日常生活の一部であることを実感できる今日、この頃です。

写真:https://blog.goo.ne.jp/1987mtree/e/b69cf934d5b390093ccc8f25ccbec272
http://kanchu-haiku.typepad.jp/.a/6a0120a696c718970c022ad3a51940200b-pi
https://kizunamirai.com/detail.php?c_key=6506226b5e6a6c27cfd8d9aad80380c5b4fe939c
http://www.holbein-artistnavi.com/artnews/artnews/performance/35536.htm


詩人 吉増剛造展
[2018/09/23]

2018年8月11日~9月24日
松濤美術館

松濤美術館で開催されている「詩人 吉増剛造展」に行きました。
展覧会では、学生時代に吉増が参加した『三田詩人』や『黄金詩篇』(1970年)、『オシリス、石ノ神』(1984年)、『怪物君』(2016年)など代表的な詩集と原稿、写真の他、吉増が影響を受けた作家の作品や手紙、原稿が展示されています。 詩集は文字の大きさや行、字体を変えるなどレイアウトにも凝り、詩と美術を融合させたような作品になっています。 展覧会では、パフォーマンスの様子も上映されていました。 詩人というとおとなしいイメージがあるのですが、パフォーマンスで叫ぶように詩を朗読し、意外な感じがしました。 朗読は声のトーンやリズムが伝わってくるので面白い。名を遺す詩人はやはりオリジナリティがあります。
展覧会の帰り道、西荻の「数寄和」で開かれている吉原洋一「吉増剛造肖像写真展」(9月22日~24日)にも行きました。 吉増さんも吉原さんも慶應大学文学部の先輩。 慶應には様々な先輩がいるので面白いですね。

写真:http://www.onvisiting.com/2018/08/08/tokyo-20180811/
https://sukiwagallery.net/archives/7210
http://www.shoto-museum.jp/exhibitions/179yoshimasu/


「イサムノグチ -彫刻から身体・庭へ―」展
[2018/09/16]

7月14日(土)~9月24日(月)
東京オペラシティアートギャラリー

東京オペラシティアートギャラリーの「イサムノグチ -彫刻から身体・庭へ-」展を見に行きました。 展覧会にはイサムノグチのドローウィングや彫刻、家具、オブジェの原型などが展示されていますが、展示作品を見るとイサムノグチが弥生土器や古墳、禅寺などに影響を受けていることがわかります。 岡本太郎は縄文の美を再発見し、世に紹介しましたが、ノグチは弥生や禅など縄文とは対極にあるシャープな日本の美を発見、世界に紹介しました。 鈴木大拙と共に世界的な禅ブームの先駆け的存在。禅庭と身体、彫刻の関係性が理解できる構成となっていて面白かったですね。 ちなみに、かつてイサムノグチが内装を設計した「新萬来舎」が慶應義塾大学にありました。 再開発で建物は解体されてしまいましたが、文学部や当時教授をしていた隈研吾の提言によって内装だけ移築され、現在はイグチ・ルームとして保存されています。全部、保存していればよかったのにもったいない。普段は非公開なので公開日に訪れてみたいと思います。


霜田誠二個展「すずめ式」&パフォーマンス
[2018/09/09]

2018年9月1日~9月30日
驢馬とオレンジ

水曜日の夜、「驢馬とオレンジ」で行われた「霜田誠二個展・すずめ式&パフォーマンス」に行きました。 霜田さんは日本を代表するパフォーマー。西荻「驢馬とオレンジ」でのパフォーマンスは3回目ですが、1回目に私はゲスト出演しました。 今回のゲストはアート千代田3331の佐々木香織さん。西川ゆうさんに続く、アート千代田チームのパフォーマンスです。
佐々木さんのパフォーマンスは日常の道具を使って音を出すパフォーマンス。美しい音を奏でるので不思議に思い、後で聞いたところ彼女はドラマーだとか。 なるほどと思いました。
霜田さんのパフォーマンスは驚きの連続。圧巻は「うんこの詩」と朗読と「揉んで 揉んで 塩で揉んで」のアカペラ。 今回のパフォーマンスは1980年代に行った公演の再演だそうです。当時の雰囲気を感じることができて、面白かったです。 「揉んで 揉んで 塩で揉んで」は霜田さんの奥さんに公表を禁止されたパフォーマンス。それが生で見ることができて面白かったですね。 それにしても、「うんこの詩」を堂々と朗読しているのですからアーティストは凄いですね。 ちなみに霜田さんの個展はオーナーの順子ちゃんによると「かわいい!」とお客様に好評だそうです。 以前から霜田さんは「すずめ式の絵やТシャツ、ポストカードを販売しています。本物のアーティストの作品はやっぱり人の心を惹きつけるのですね。

「黒羽志寿子キルトサークル展」 2018年9月6日~9月10日 吉祥寺東急百貨店

週末には「西荻ワークショップ・アートマップ」の表紙でお世話になっている黒羽志寿子先生の主催する「黒羽志寿子キルトサークル展」を吉祥寺東急に見に行きました。 ユーチューブの撮影がてら会場に行ったのですが、パッチワーク作品は壁にかけるサイズの大きいものが多く、迫力に圧倒されます。 西荻企画がなければ、パッチワークキルトに触れる機会もなかったでしょう。 最初は苦労しましたが、西荻企画をやっていて本当に良かったなと今は感じます。


「藤田嗣治展」
[2018/09/02]

2018年7月31日~10月8日
東京都立美術館

東京都立美術館に「藤田嗣治展」を見に行きました。 展覧会では渡仏前の作品やパリでの作品、戦争記録画、戦後フランスに帰化して描いた宗教画などが時系列にそって展示されています。 展覧会では1918年にヴィルヌーブ=レザヴィニョンを訪れ、15世紀フランスのキリスト教絵画に触れ衝撃を受けたと説明されています。 私はアヴィニョンに留学していた時に「ヴィルヌーブ=レザヴィニョンのピエタ」など中世絵画を見ましたが、フランスで実際に中世絵画を見ると藤田の感動がどのようなものであったか理解できます。 藤田が製作する乳白色を背景にした絵はキリスト教絵画の背景に用いられる金箔を意識しているのでしょう。藤田の人物の描き方も、中世絵画のようで、カトリックの雰囲気がします。 これらのことはフランスで中世絵画をたくさん見なければ実感できないでしょう。体験はやはりするものです。

写真:https://twitter.com/foujita2018


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