美術・音楽 2018年7月

西荻 遊工房アートスペースの展覧会
[2018/07/29]

トゥリー・リットヴァック(イギリス)/堀内悠希(日本)/エリザベス・ベリヴォ(カナダ)
2018年7月25日~7月29日

遊工房アートスペースは国内外のアーティストが一定期間滞在しながら制作する、 アーティスト・イン・レジデンスと、東京在住のアーティストが作品を展示・発表するギャラリーがあるアートスペースです。 遊工房を主催する村田さんは慶應大学の先輩、近所に先輩が経営するこのようなギャラリーがあるのは、美術愛好家の私としてはうれしい限りです。
先週、遊工房では、エリザベス・ベリヴォ(カナダ)、堀内悠希(日本)、トゥリー・リットヴァック(イギリス)の展覧会を観に行きました。 ベリヴォは現代の静物画をモチーフに様々な社会問題を表現する作家で、華道の小笠原流を学び、それを最新技術と融合させて作品化しています。 最近は外国人が日本の伝統芸術に興味を持ち、それを独自にアレンジして表現する行為が面白いですね。堀内悠希は写真やビデオを使って表現する作家。 リットヴァックは人間の身体の変化を表象する作家。日本では鍼灸について学んだらしく、それを今回の作品に反映させていました。 昨今、表現手段が一般化し、アートの裾野が広がっており、個々の問題点も多様化、それが先端技術と融合して新しい表現を入手した半面、個人への興味、関心を薄めさせている傾向もあります。 人間の存在は先端技術を使った表現の中で希薄になっていくのでしょうか。


「建築の日本展」
[2018/07/22]

2018年4月25日~9月17日
森美術館

森美術館で開催されている「建築の日本展」に行きました。日本の現代建築にテーマを当てた展覧会。 会場は100のプロジェクトに関係する400の模型・資料が9つのカテゴリーにわけて紹介されています。 歴史的な建築物に関する展示もあったのですが、過去の技術や建築思想がいかに現代建築に 取り入れられているかという視点で紹介されていました。 日本は地震国なので、古代から高層建築をつくる場合、木材を使い柔軟性を持った建築を作ります。 地震の少ない地域である大理石を使った西洋建築とは大きな違います。 この展覧会を企画した南館長は「日本の建築には遺伝子がある」と言っていますが、その遺伝子は「自然と調和した建物」ということになるでしょう。 展覧会には丹下健三の設計した建物の模型が展示されていました。 ル・コルビジェのサヴォア邸のような建物で、ドアや窓が重なり合って、奥行きが生まれ、空間が広く見えるように作られています。 壁がなく、襖で仕切られた日本の建物は、部屋と部屋、外と中の仕切りがなく、空間が無限に広がっていきますが、模型を見るとこうした日本家屋の特徴が丹下健三の建築に活かされていることがわかります。 戦後、日本には丹下健三、黒川紀章、安藤忠雄、隈研吾、伊藤豊雄など、世界を代表する建築家が出現しました。 展覧会を見ると、彼らの建築のルーツが伝統にある事が理解できます。最近、都会ではタワーマンション・ブームが起こり、タワーマンションが乱立しています。 それを見ると、日本建築の一部もアメリカナイズされてきたなと感じます。 戦後、小説家の三島由紀夫が変わりゆく日本の姿を見て、「日本の美しさが無くなっていく」と嘆いていますが、その傾向はますます強くなっていく。 タワーマンションを建てることに問題はないのですが、これからも美しい日本建築の遺伝子は残してほしいですね。

写真:https://twitter.com/mori_art_museum


霜田誠二 個展とパフォーマンス
[2018/07/15]

2018年7月14日
銀座ステップスギャラリー

7月14日(土)、銀座ステップスギャラリーで「霜田誠二個展&パフォーマンス」を観ました。 霜田さんは慶應大学文学部社会学特殊で我々にパフォーマンスを教えてくれた先生です。 私は7月4日、西荻の「驢馬とオレンジ」で霜田さんのパーフォーマンスの前座として出演したのですが、このところ毎週のように霜田さんと遊んで?います。 ところで、今回のパフォーマンスの前日、痛風が出たようで霜田さんはさえない表情をしていました。 会場が狭い分だけ動きも少なく、パフォーマンスはいつもよりも大人しいものでした。 霜田さんは今年65歳ですが、毎週、日本各地のみならず世界中を巡り歩いています。多忙すぎて体調が悪くなったようです。 これからも遊び?たいので、体調には気を付けてくださいね。


「JOМON 縄文展」
[2018/07/08]

2018年7月3日~9月2日
東京国立博物館

東京国立博物館で開催されている「縄文展」に行きました。「遮光器土偶」や土偶「縄文の女神」、 「火焔式土器」など有名な出土品に加え、各地から集められた普段目にする機会の少ない重要文化財が展示されていて、見ていて新鮮な感じがしました。 会場の一角に中国、インダス川流域、メソポタミア、エジプトなどの同時代(紀元前2000年~3000年頃)の土器を展示するコーナーがあり、縄文土器と各地の土器を見比べることができます。 他の地域に比べて抽象的で複雑な縄文土器を見ていると、縄文人が豊かな文化を持っていたことがわかります。展示品の中には、猪や蛇、鳥、キノコなど食べ物を模った小さな土製品もありました。 昔から日本は食材の豊かな国だったのですね。解説にはキノコや植物を象った土器は儀式的な道具だろうと書かれていましたが、私には子供の遊び道具にも見えました。 出展品の種類も多く、縄文文化のイメージが掴みやすい展覧会でした。最近の展覧会は展示方法がわかりやすく工夫されていて良いですね。

写真:https://pbs.twimg.com/media/DcPJ2WSVQAA8yec.jpg


滝口修造と彼が見つめた作家たち
[2018/07/01]

2018年6月19日~9月24日
東京国立近代美術館

東京国立近代美術館で開催されている企画展「滝口修造と彼が見つめた作家たち」を観ました。 美術評輪家の滝口修造(1903年~1979年)は日本にシュールリアリズムを紹介した日本の現代美術界に大きな影響を与えた有名な評論家です。 展覧会には瀧口修造の作品の他、赤瀬川原平、荒川修作、河原温、草間彌生など瀧口が興味を寄せていた作家の作品が展示されていました。 滝口の作品は顕微鏡の拡大写真のような作品(デカルコマニー)や、紙を炙って絵を描いた作品など科学的な感じがします。 代々、医者の家系である瀧口はフロイトの精神分析に強い影響を受けたようで、展示されている作品を見ていると、科学と芸術が融合していた当時の雰囲気を感じることができます。 言語での表現の限界を感じた時、芸術家たちは他の方法を用いて自己表現の道を探ったのでしょう。ところで滝口修造は慶應大学文学部卒の先輩。 このような評論家が慶応大学文学部から出たことは誇らしいですね。

写真:http://www.momat.go.jp/am/exhibition/takiguchi2018/
https://img.yaplog.jp/img/18/pc/e/k/i/ekimae05/0/58.jpg


上へ戻る   ホーム