美術・音楽 2018年3月

NiPF‘2018、「パリジェンヌ展」
[2018/03/25]

NiPF(日本パフォーマンス・アート・フェスティバル、通称二パフ)は舞踏家の霜田誠二が主宰するパフォーマンス・アートのイベントです。 今年のNiPFにゼミの岡原先生が19日と20日に出演したので観に行きました。
パフォーマーは国籍も年齢も多種多様です。 台湾アミ族のアダウ・パラフは、鏡や蝋燭を立てた祭壇の周りを踊りながら廻って会場の雰囲気を盛りあげた後、観客を踊りに参加させ、最後は大勢で踊るというパフォーマンス。 ベトナムから来たフリンの観客の唾液を目に入れるという見慣れない人にはとてもショッキングなパフォーマンスを披露しました。 岡原先生はシャツを壁にテープで十字に貼り付け、その前に置かれたテーブルでシャンパンを飲み、その後、シャンパンをインクで黒く染め、最後はテープがついたシャツを着て十字と一体となるという作品。 この日のとりでしたから、テーマは「最後の晩餐」ですね。
NiPFは民俗学的、社会学的、身体性を重視したパフォーマンスが展開されてとても面白かった。 パフォーマンスを見ている最中、アヴィニョンで民族衣装を着た人たちと踊ったことを思い出しました。 今年は大学で霜田先生の「パフォーマンス学」を履修するので、1年後には私もパフォーマーになっているかもしれません。

2018年1月13日~4月1日
世田谷美術館

世田谷美術館で開催されている「パリジェンヌ展」に行きました。ボストン美術館所蔵の版画、服飾、絵画が展示されています。 今回の展覧会の目玉はエドゥアール・マネの「街の歌い手」。ギターを手にした女性歌手が描かれた絵です。 同じ印象派でもルノワールの人物画には表情がありますが、マネの絵に描かれる人物や群像画は無表情です。 マネは印象派の中でも最古参の画家なので、まだ古典主義の影響から抜けきれなかったのかもしれません。 マネが革新的だったのは、娼婦や闘牛士、婦人などごく普通の人々をテーマにしたことです。「街の歌い手」も歌手の女性がテーマ、当時としては珍しい画題です。
マネの絵に限らず、当時のパリジェンヌは能面のように表情が乏しい感じがします。 それが印象派の時代になると変化が起きます。ルノワールの「田舎のダンス」、「街のダンス」に登場する人物たちは評所が豊かです。 私はパリに滞在していましたが、実際に見たパリジェンヌはクールビューティー。 フランス人が日本の「かわいい」を評価する理由は、パリジェンヌにはない表情を日本の女性がするからでしょう。 どこかの美術館で、日本人女性とパンジェンヌ、アメリカンビューティの動作や顔の表情を比べる展覧会をやると面白いでしょう。 「女性の権利」を主張する理屈っぽい展覧会よりも人気が出るはず。もちろん、その時のスポンサー、協賛は資生堂です。

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棟方志功と柳宗悦展
[2018/03/18]

2018年1月11日~3月25日
日本民藝館

土曜日、駒場東大前にある日本民藝館に行きました。別館の柳宗悦邸が公開されていたので、そこを見てから、本館の「棟方志功展」を見ました。 柳邸は一階が洋室、二階が和室になっており、1925年の和風建築ですが、ル・コルビュジェの建物のような感じがします。 ちなみに階段を上がったところには、洗面台がある。サヴォワ邸にそっくり。廊下からは部屋、ガラス張りの障子のような形の窓を通して中庭が望めるようになっています。
棟方志功の作品(特に仏を描いたもの)は、背景の模様や人物の描き方が15世紀のイスラム美術のようでした。
1950年代の作品の中にはキュビズムの影響を受けたものもあります。 民藝運動というと日本人の美術意識(工芸品や生活用品)の再評価というイメージがあったのですが、ヨーロッパから帰ってみると、民藝運動や作品がヨーロッパ芸術の影響を強く受けていることがわかります(和風だけどヨーロッパっぽい)。 ウイリアム・モリスの理論に沿った視点から日本人の「生活の美」の発見に努めたのでしょう。

ところで、棟方志功の写真、「おいしい生活」のような感じがしませんか。1980年代になると渋谷でパルコ文化が花開きます。 その土壌を日本民藝館と民藝運動が作ったように私には思えます。これは中央線沿いに文学者が住んでいて、書籍文化の中心地になったのと同じ構造です。 生活用品、日常に目を向けた民藝運動が日常生活の向上(ライフスタイル)をうたう「おいしい生活」になる。だから、下北沢は古着なり、レトロ趣味生活雑貨なり、若者の生活に根差した街となった。 パルコ文化は井の頭線の文化で渋谷、駒場東大前、下北沢、吉祥寺が中心。
余談ですが、パルコ文化は地方都市的な文化であることがわかります。 渋谷、下北を歩いていると、フランスの移民の街(マルセイユ)のような雰囲気があります。 ごちゃごちゃしているが、東京の下町のごちゃごちゃ感とは違う。田舎臭い。歩いている人も、都会人のふりをしていますが垢ぬけた感じがしない人が多いように見えます。 地方から東京に来たら、まず渋谷に行く。そこで創造されたのが「パルコ文化」でした。

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アド・ミュージアム、みうらじゅん展
[2018/03/11]

アド・ミュージアムの常設展示展と川崎市民ミュージアムの「MJ’sFES みうらじゅんフェス!マイブームの全貌展since1958」に行きました。 アド・ミュージアムの常設展で面白かったの川崎徹の作品。川崎徹は1980年代に糸井重里や仲畑貴志らと並んで広告やコピーライターが脚光を浴びた時期の代表的なスターです。 キンチョールのCMが面白かったですね。
一方、みうらじゃんはイラストレーター、エッセイスト、ミュージシャンなど幅広い分野で活躍するタレント。 「マイブーム」や「ゆるキャラ」の命名者としても知られています。 「みうらじゅんフェス!」はとてもユニークな展覧会で、これまで観に行った展覧会とはまったく異なっていました。 展示された収集品に高価な物はありませんが、これだけの量を見せられると独特の世界が出現していることを感じます。 特に天狗レンジャーがおかしかった。我が道を行く、独自、ユニークという言葉を実感できた展覧会でした。 フランスに行ってアカデミックな美術ばかり見てたので、今年はサブ・カルチャーに目を向けようと思います。


「MJ’sFES みうらじゅんフェス!

マイブームの全貌展since1958」

広島市現代美術館
[2018/03/04]

特別展示 オノ・ヨーコ
「マイ・マミー・イズ・ビューティフル」

広島市現代美術館で常設展と企画展「女たちの行進」、「オノ・ヨーコ マイ・マミー・イズ・ビューティフル」を観ました。 女性に関する展覧会は、パリのフランス造幣局でも観たのですが、”Мe Тoo運動”も含めて、最近は女性に関する展覧会が活発なようです。 第2次世界大戦が民族解放の戦いであったならば、近年起こっている闘争は女性解放の戦いかもしれません。 「女たちの行進」を見て感じたことは、日本人の女性作家は欧米の女性作家に比べて大人しいということです。 昔から日本は女性に優しい国なので、美意識は強いわりに社会に対する主張は乏しい感じがします。 それだけ欧米は民族、女性差別が激しいということでしょうか。ちなみに3月3日は「桃の節句」、3月8日は「国際女性デー」、今月は女性月です。


企画展「女たちの行進」

堂本右美

吉沢美香

写真:https://www.hiroshima-moca.jp/exhibition/collection2018-1/


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