「ベルギー奇想の系譜 展」
7月15日(土)~9月24日(月)
Bunkamuraザ・ミュージアム
8月の最終週、渋谷の文化村ギャラリーで開催されている「ベルギー奇想の系譜」(~9月24日)に行きました。
ベルギーはスペインからユダヤ人が移住した15世紀以降、現在でいうシュールレアリスム作品が盛んに制作されました。
その中心がブリューゲルやボッシュ(オランダ)などのフランドル派の画家たちです。
16世紀、フランドル地方に宗教改革の波が広がり、フランドル派の画家たちは「罪」や「徳」など宗教的な概念を持つ作品を盛んに制作します。
絵画もプロテスタント運動と密接に結びついていました。
16世紀のベルギー絵画は観念的でドイツの影響が強いのですが、18世紀、ナポレオン戦争で隣国フランスの影響力が増すと、ベルギー絵画もフランスの影響を受けて色調に変化が生まれ、明るく開放的になります。
ドイツ、オランダとフランスに挟まれたベルギー絵画の変化を見ていると、西北ヨーロッパの情勢が理解できて面白いですね。
世紀末のベルギーにはフランス、ドイツ文化(哲学)が混在したシュールレアリスムが登場します。
ルネ・マグリットの絵画はどこか観念的なのはドイツ文化の影響でしょう。隣国の影響を受けて制作が始められた絵画は500年間、多くの画家や現代美術家によって受け継がれています。