美術・音楽 2017年5月

ハリーポッター・ワーナースタジオ、ジャコメティ展、スイッチハウス、バルトーク
[2017/05/28]

ハリーポッター・ワーナースタジオ

先週はハリーポッター・ワーナースタジオ、「ジャコメティ展」、クラシックコンサート、スイッチハウスに行きました。ワーナースタジオには、ハリーポッターの映画で実際に使われた衣装やセット、特殊技術が展示されています。イギリスには古い教会や町並み、修道院の廃墟、中世から続く大学があり、それが媒介となってハリーポッターの世界にリアリティを与えているとのだと思いました。イギリスで生活していると、目の前に広がる光景が映画のように感じます。私にとって留学生活は現実的で充実感のあるファンタジーです。
テート・ブリテンで開催されている「ジャコメッティ展」では彫刻や絵画の他に、書籍やデッサンなどの展示がしてあり、それを見ると彼がアフリカやエジプト彫刻に大きな影響を受けたことがわかります。ピカソもそうですが、フランス系アーチストはアフリカ美術の影響が強いのですね。金曜日にはスイッチハウスに行きました。80年代までの映像作品は視覚的にも面白いのですが、2000年代になると作品の質が希薄になり、特に最近 (映像・パフォーマンス) は、社会性が露骨に強調され、「私は社会の一員なのだ。認めてくれ」というマイノリティの情報発信となっているような気がします。これではアート(美術)ではなく、社会的問題提起、政治的行動に近い。倫理が希薄になるとアートの領域に混乱が生じるのでしょう。
音楽では23日にブタペスト・フェスティバル・オーケストラのバルトーク、25日にフィルハーモニック・オーケストラ(ヘルベルト・ブロムシュテット指揮)のベートーベン、モーツァルトを聴きました。23日のコンサートではバルトークが影響を受けた民族音楽も演奏されたのですが、東欧のメロディが中東の影響を受けていることが理解できました。前半の”Hungarian Peasant Songs”は民族音楽的な曲、後半の”Duke Bluebeard's Castle”はドイツ的なオペラでした。かつてのオスマン帝国、オーストリア・ハンガリー帝国で、イスラム、ゲルマン文化が入り交じるハンガリーの民族性が表現されたコンサートでした。25日のコンサートの「第9」と「ドンジョバン」は、まさに革命期の音楽で、ミュージカル「レ・ミゼラブル」に通じるものがあります。時代背景を知ってから曲を聴くと面白いですね。


    ホグワーツ特急 9と3/4番線                 ホグワーツ校内                       テート・ブリテン 「ジャコメティ展」

                                                スイッチハウスの作品

        ブダペスト・フェスティバル・オーケストラ                              フィルハーモニック・オーケストラ

大英博物館、自然史博物館、マダムタッソー蝋人形館、テートモダン、フリップグラス
[2017/05/21]

自然史博物館・オレンジルーム

大英博物館、自然史博物館、マダム・タッソー蝋人形館、テートモダン、フリップグラスとローリー・アンダーソンのコンサート、ミュージカル「オペラ座の怪人」に行きました。大英博物館では、サットンフーの宝物、ルイス島のチェス、ナポレオンのデスマスクなどを見ました。中でも印象に残ったのが、2世紀のミイラ「リンドウマン」。解説には「胃の中に最後に食べたリンゴと焼いたパンが残っている」と書いてあります。ロンドンに来る前に見たイギリスの考古学ドラマ「ボーン・キッカーズ(1月29日のブログ参照)の世界ですね。

自然史博物館は最近は美しい図や映像、模型の展示がたくさんありました。昔は、斬った鳥の首などを展示していたのですが、動物愛護団体がクレームをつけて展示方法が変わったようです。初期の展示コーナーが残っており、鳥の首が並べて展示してありました。また、オレンジルームにはホルマリン漬けの標本があるのですが、美しい建物内にあるので、グロテスクというよりもデミアン・ハースト風のアートを感じることができます。現代はグロテスクでさえ、アートになる時代でしょうか。

マダムタッソー蝋人形館はロンドンの有名な観光スポット。たくさんの観光客でごった返していました。アンディ・ウォーホールの有名人を写実で立体化したような美術館で、このような発想をするイギリス人の感性は、日本人とは大きく違います。逆に言うと、このような感性がビートルズやミュージカルなどのエンターテイメント性の強い文化を生み出すのでしょう。蝋人形館にあるヴィクトリア女王、チャーチル像などは美しいとはいえませんが、エンターテイメントの一環をなしています。イギリスでは歌手や俳優と同じく王室や政治家がアイドルなのです。これは日本人には真似ができない。現在、マダムタッソーにはスターウォーズなどハリウッド部門があるのですが、イギリス部門に比べると大味で風情に欠けます。やっぱり、歴史的な人物の蝋人形には迫力がある。

木曜日に現代音楽を代表するフリップグラスとローリー・アンダーソンのコンサート、土曜日にミュージカル「オペラ座の怪人」を見ました。フィリップグラスのコンサートはとても詩的で、ローリーアンダーソンや彼女の仲間であるボブ・ディラン、パティ・スミスなど、音楽の中の文学性を大切にしていることがわかります。現在のニューヨークの現代音楽の潮流なのかもしれません。


ルイス島のチェス                           サットン・フー船葬墓の仮面          マダムタッソー・ロイヤルファミリー            チャーチル

テートモダンの作品                                                                      フィリップグラス&ローリーアンダーソン

スイッチハウス、ビートルズ・ストーリー、フロイト博物館、「レ・ミゼラブル」
[2017/05/14]

火曜日にテート・モダンの「スイッチハウス」に行きました。スイッチハウスはヘルツォーク&ド・ムーロンが旧火力発電所のタンク部分を改造して作った「ねじれピラミッド」と呼ばれる要塞風の美術館です。2016年のオープンと同時にロンドン市民の間で人気を博しています。展示作品はヴィデオ、パフォーマンス、デジタル・アートなどのライブアート。興味深い作品がたくさん展示してあり、この美術館に来て初めて現代のパフォーマンス、ヴィデオ・アートが社会学的要素が強いことを理解できました。 東京にも、このような美術館があれば良いのに……。テート・モダンやスイッチ・ハウスを見ていると、国家が何を目的に博物館・美術館を運営しているのか、理解できます。日本にはイギリスの約四倍の美術館(日本5614館、イギリス1850館)があるのですが内容が薄く、箱物行政の弊害がこのようなところにも表れています。
ヨークでは19世紀の街を再現したヨーク・キャッスル博物館、リバプールではビートルズ・ストーリーに行ったのですが、両館とも観客の興味を惹くように展示に工夫がされています。この辺りが日本の博物館・美術館とは大きく違う。日本の美術館・博物館には、人を魅了する現代的な施設設計、展示方法が必要ですね。
音楽関係では生まれて初めてのミュージカル、「レ・ミゼラブル」を観に行きました。本場のミュージカルに接して、なぜ、ミュージカルが世界の人を魅了しているのか理解できました。

ヨーク・ステンドグラス


テートモダン スイッチハウス                    ナムジュンパイク                          ボリス・ミハイロフの作品

ヨーク・キャッスル博物館                      THE BEATLES STORY、ジョンのピアノ            フロイトの書斎

大英博物館、テートモダン、スティーブ・ライヒ「ドラミング」
[2017/05/07]

先週は2日、大英博物館、1日、テート・モダンに行きました。大英博物館は世界一の規模を誇る、巨大な博物館。到底、数日間では全部をみることができません。そこで今週は2日間かけてエジプト、メソポタミア、ギリシャ、ローマのブースを廻りました。大英博物館は広いので、最初はどこに何があるのかがわからず、右往左往していましたが、徐々に展示品の位置が把握できるようになりました。絶対に見逃せない美術品は「ロゼッタ・ストーン」、「パルテノン神殿の彫刻群」、ウルクから出土した「やぶの雄羊」、「ウルのスタンダード」、「ポーランドの壺」、エジプトのミイラなどです。教科書で見るのと違って、やはり本物は迫力があります。
午前に学校で英語の授業を受け、毎日、午後から博物館・美術館に行くのは大変なので、今週から週1日は博物館・美術館巡りを止めて休憩することにしました。集中して作品を見ていると疲れるので、少し手を抜いて鑑賞しています。少々、食傷気味……。木曜日を博物館休日にして、その夜は、ロイヤル・フェスティバルホールで行われたロイヤル・ハーモニックのクラシック・コンサートを聴きに行きました。 演目はブーレーズの「水泳」と、ドビッシーの「イマージュ」、「ラ・メール」。 私はドイツ系のクラシック音楽よりも、フランス系の印象派っぽい感じの音楽の方が好きです。席も真ん中の良い席だったので、コンサートを存分に楽しめました。

金曜日は、テート・モダンに行き、その夜は、やはりロイヤル・フェスティバルホールでアメリカの現代音楽家スティーブ・ライヒの「ドラミング」を聴きました。コンサートは素晴らしいもので、最後は皆、起立して拍手喝采でした。古典とは違う現代音楽の面白さを味わうことができたのですが、博物館めぐりを休憩しても、クラシック・コンサートに2晩続けて行くと疲れます。遊び過ぎかな……。



写真:https://www.facebook.com/colincurriegroup/photos/gm.762339757278633/1861641344100789/?type=3&theater


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