美術・音楽 2017年2月

アド・ミュージアム 「ONE SHOW 2016展」
[2017/02/26]

2017年1月19日~2月25日
アド・ミュージアム東京

新橋にあるアド・ミュージアムで「One Show 2016」を見てきました。ニューヨークの非営利団体ワンクラブ(The One Club for Creativity)が主催する「One show」はカンヌ国際広告賞、クリオ賞と並んで世界三大広告賞の一つとして知られています。展覧会では、各部門で入賞した広告が展示されていました。ブリュッセル観光局が実施した「Best Interactives」はパリ同時多発テロ以降、報道によって「危険な町」というレッテルを張られたがブリュッセル市内に設置した街頭電話を設置したプロジェクトで、世界各地とブリュッセルを電話でつなぐ企画で、直接のコミュニケーションによって、町のイメージを一変させました。MicrosoftがゲームTomb raiderのために設置した「SURVIVAL BORD」ではボードの前に立った挑戦者が雪や雨に何時間耐えられるか競います。スポーツウェアメーカーREIは安売りで有名なブラックフライディに全店休業、職員にアウトドアを楽しむ時間をプレゼントしました(Opt Outside)。米保険会社GEICOのネット広告は「この広告はスキップできません。すでに終わっていますから」とユーザーから不評のスキップできないYouTube広告を逆手にとって面白くしました。体験型の広告やメディアとして面白いブランデットエンターテイメントが対象上位に位置していました。また、これらの広告は社会へのメッセージ性を持っています。上位にランクインしている広告をみていると、規格、大量生産されるモノへのアンチテーゼが、どの広告にも込められている感じがします。生身の人間と直接会話する「電話」や風雪に耐える挑戦者を見せる「ボード」は昔からあるアナログなツールを活用したものです。REIの「休業」は安売り、24時間営業という消費社会の象徴へのカウンターといえます。古酒「Remy Martin louis xiii」の広告「Not Coming Soon」では100年後に公開する映画を作り、将来を見越した物づくりをテーマにしていました。今、注目を集めている広告は、「有限だけど質の高いもの、物語性を持つものがいい」というメッセージが挿入されていると思います。消費社会から人々の意識が転換しつつあるのではないでしょうか。

写真:http://loco.yahoo.co.jp/event/bded2d7d00f0ab87260c09a33a5f885419c87278


「世界遺産 ラスコー展 ~クロマニョン人が残した洞窟壁画~」
[2017/02/19]

2016年11月1日~2017年2月19日
国立科学博物館

国立科学博物館で行われているラスコー壁画展に行きました。ラスコー遺跡は、フランスの西南部ドルドーニュ県、ヴェゼール渓谷に位置する旧石器時代後期(オーリニャック文化)の遺跡、馬や鹿などが描かれた洞窟壁画が有名です。1940年代に発見され、観光地として人気を博しましたが、遺跡内の汚染が進んだため、1963年に閉鎖されました。空調設備を入れたことが壁画を傷める原因になったと考えられています。日本の高松塚古墳も痛みがひどく問題になりましたが、観光、調査と保存を両立させるのは難しい問題。失われては意味がないので、原型をとどめて保存するのがよいでしょう。遺跡保護の展で、フランスは日本より進んでいるきがします。現在、近くの観光センターに遺跡内を再現した展示があり、内部の様子を知ることができます。今回の展覧会は新たに制作した精巧なレプリカが各国を巡回するもので、ラスコー遺跡を体感することができます。レプリカはミリ単位で制作されており、岩や絵の質感がリアルでした。遺跡の魅力を寄り多く知ってもらうだけにとどまらず、遺跡保存や展示方法の新たな展望を提示する展覧会であったと思います。

写真:http://lascaux2016.jp/infomation.html


渋谷シアターコクーン「陥没」
[2017/02/12]

久しぶりの演劇鑑賞です。渋谷シアターコクーンに「陥没」を見に行きました。 脚本はケラリーノ・サンドロヴィッチ(小林一三)。
通称、ケラと呼ばれているミュージシャン、劇作家、俳優、脚本家、演出家、映画監督、インディーズレーベル「ナゴムレコード」の主宰者、緒川たまきの夫。
今回の演劇の設定は、東京オリンピックを控えた1960年代の東京。そこを舞台に、離婚、三角関係、詐欺などが絡む、愉快なコメディでした。 いつも見に行っている大人計画はアングラで意外性の強い演劇ですが、今回は演出や話の進行など緻密に設計されている堅実な演劇でした。 話の展開も巧みで、役者さんの演技力や役柄も安定感があり、3時間が、あっという間に経ちました。 この舞台は、立ち見席がでるほどの人気だったのですが、子供の頃から吉本新喜劇を見て育った私にとっては、関西風のもっとエグみのある演劇の方が性に合っている、というのが今回の感想です。
私の演劇体験は昨年から始まりました。これから多くの舞台に接することによって、演劇に関する感性も変わると思います。 それとも、老人になるまで「辻本の爺シリーズ(吉本新喜劇)」の感性のままで終わるのでしょうか。
それは、恐ろしい……。

写真:http://www.bunkamura.co.jp/data/files/cocoon/2017/20170204/flyer.jpg
http://25news.jp/wp-content/uploads/2016/10/mainv-15-1024x724.jpg
http://rr.img.naver.jp/mig?src=http%3A%2F%2Fwww.mbs.jp%2Fshinkigeki%2Finterview%2Ftsujimoto%2F01.jpg&twidth=300&theight=300&qlt=80&res_format=jpg&op=r


BBC地球伝説 地球イギリス華麗なる美術の旅
[2017/02/05]

アフロディアシス(トルコ)の
大理石彫刻に描かれた
ブリタニアとクラウディウス帝

黒太子の墓(カンタベリー大聖堂)

ハンス・ホルバイン
「ヘンリー8世の肖像画」

ジョージ・ガワー
「アルマダの海戦時のエリザベス1世の肖像」

今週は美術館へは行かず、家で「BBC地球伝説 イギリス華麗なる美術の旅」を見ました。

1、征服の時代
2、騎士たちの時代
3、王と権力の時代
4、革命の時代
5、市民の時代
6、帝国の時代
7、新しい時代

と7回に分け、古代ブリタニアの石像から現代美術にいたるまで、歴史に沿って美術作品を考察する番組です。
古代から現代まで歴史的な説明も詳しいので、イギリス概史を学ぶのに好都合の番組でした。特に興味深かったのがチューダー朝、ヘンリー8世とエリザベス1世による宗教改革の話。
この時期、英国では宮廷画家としてハンス・ホルバイン(1497/98~1543)が登場し、権力者の絵を描くようになります。教皇の権威を示すための宗教画から、王侯貴族の権力を示すための人物画へ。宗教改革による政教分離という政治的出来事と美術が連動している様子がわかって面白いですね。

18世紀になると市民が台頭すると絵画の主題は王侯貴族から市民社会へと移り、19世紀ヴィクトリア女王の時代、絵画は海外植民地や戦争の様子を伝えるメディアの役割を果たすようになります。

美術を理解し、楽しむためには歴史や文化に対する理解が欠かせません。

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https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/45/Henry-VIII-
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https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/7b/Elizabeth_I_
(Armada_Portrait).jpg
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https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/15/
Treaty_of_Penn_with_Indians_by_Benjamin_West.jpg
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hhttp://www.tate.org.uk/art/artworks/moore-tube-shelter-perspective-n05709.jpg


ウィリアム・ホガース
「放蕩息子一代記」
(サー・ジョン・ソーンズ美術館)

ベンジャミン・ウェスト
「北米ペンシルバニアを発見した
ウィリアム・ペンとインディアンの協定」

ジョージ・ジョイ
「死に臨むゴードンの肖像」
(ケント州公兵博物館)

ヘンリー・ムーア
「地下鉄内の眺め」
(テート・ギャラリー)

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