美術・音楽 2016年11月

「宇宙と芸術展」 かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ
[2016/11/27]

2016年7月30日~2017年1月9日
森美術館

六本木の森美術館で行われている「宇宙と芸術展」を観ました。
古代から現代にいたるまで、人が宇宙をどのようにとらえ描いてきたかをテーマに書籍や絵画、現代芸術術作品が展示されています。
「貞享暦」で有名な渋川春海の天文図や、田中久重(東芝創業者、からくり儀衛門)の天球儀、国友一寛斎の黒点観察図、ガリレオの書簡、コペルニクスの書籍などの貴重な天文学資料や、 江戸時代に常陸(現茨城県)に漂流したUFO「うつろ船」を描いた版画、20世紀頭に映画監督コンスタンティン・ツォルコフスキーが作成した宇宙旅行構想のスケッチ、 天体現象をモチーフにしたローラン・グラッソの絵画や太陽から送られてきた映像やプロジェクションマッピングを活用した映像作品など、その幅は多岐にわたります。
感覚、感性を使う「芸術」と科学的な「宇宙」は一見すると別のものに見えますが、「美術」と「宇宙」、「テクノロジー」が切り離せない関係にあることを感じました。 広い意味でのアートを感じる展覧会でした。


写真:http://zen.exhn.jp/
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1807


三田祭
[2016/11/20]

今週は三田祭美術サークル特集。
パレットクラブでは西校舎地下1階ロビーで毎年、「三田祭展」を行っています。 僕も新作3点を含む合計5点を出品しました。他の学生の作品も面白いものが多く、楽しい展覧会になりました。
どの作品も好評だったようです。ありがとうございます。
個人的には「『ハッピーちゃん』のぬいぐるみが欲しい」というご意見をいただき、 今度、作ってみようと考えています。 来年は留学するので、三田祭には参加できませんが、3年生時、ぬいぐるみとかカレンダー、葉書などのグッズを作って売ろうかな。 慶應大学は経営の強い学校なので、美術サークルも商売気たっぷりです。

三田祭の出品作品 (写真をクリックすると拡大されます)

タイトル: ハッピーちゃん
画材: キャンバス、アクリル
サイズ: F10
ひとこと: あほなのか、賢いのか。男なのか、女なのか。
大人なのか、子供なのか。そもそも、人なのか。
描いた本人にもわからない、そういう絵です。
タイトル: ハローくん
画材: :キャンバス、アクリル、スーパーボール、針金
サイズ: :F10
ひとこと: :ネズミかな?ゾウかな?それとも、バナナかな?
タイトル: ハッピーちゃんとポコ
画材: :キャンバス、アクリル
サイズ: :F8
ひとこと: :ハッピーちゃんとポコちゃん。
タイトル: 波紋
画材: :キャンバス、アクリル、石
サイズ: :F20
ひとこと: :恋した彼女にアプローチしても、石の波紋がひろがります。
青いハートは僕の心。ただ今、青春まっただ中。
タイトル: 出会い
画材: :キャンバス、アクリル、石のオブジェ
サイズ: :幅65×奥行53×高さ20(cm)
ひとこと: :石だって、恋するんです。


臨済禅師1150年・白隠禅師250年遠諱記念 特別展「禅―心をかたちに―」
[2016/11/13]

2016年10月18日~11月27日
東京国立博物館

東京国立博物館で開催されている「禅展」に行きました。
展覧会では主に臨済宗、黄檗宗の寺院から集められた頂相、禅画、仏画が寺院ごとに展示され、茶の湯に焦点が当てられ展示もありました。 日本に茶を持ち込んだのは臨済宗の開祖、栄西。当時、抹茶は医薬品と考えられており、栄西の著書「喫茶養生記」には「茶は心臓に良い」といったことが書かれています。 私も試験などここぞという勝負時にはユンケルやリポビタンDを飲みますが、戦国武将も戦時に茶を飲んで、体調を整えていたのでしょう。
また、禅問答で修行を積んだ臨済宗の僧侶は情勢や理論的思考に長けており、戦国武将の外交役や参謀として活躍しました。 展示を見ると武田信玄と快川紹喜、織田信長と沢彦宗恩など、戦国大名と禅僧の関係が良くわかります。 江戸時代になると臨済宗は一時衰退、白隠慧鶴が民衆への布教を強め臨済宗の立て直し、臨済宗中興の祖となります。 展覧会には白隠の描いた達磨像や涅槃図などの禅画が展示されていました。白隠の禅画は何処か抜けていて、面白い。今回の展示の中で一番気に入っています。

写真:http://zen.exhn.jp/
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1807


「クリスチャン・ボルタンスキー展」
[2016/11/06]

2016年9月22日~12月25日
東京都庭園美術館

目黒にある東京都庭園美術館に「クリスチャン・ボルタンスキー展」を見に行きました。 ボルタンスキーはフランスを代表する現代美術作家で、映像やオブジェ、パフォーマンス性の高い作品を制作しています。 ユダヤ系フランス人の彼はホロコーストの記憶に強い影響を受けており、「生と死」「存在と不在」をテーマにした作品を一貫して制作してきました。 今年の瀬戸内国際芸術祭にも出品しており、豊島に風鈴を使った作品が展示されています。
庭園美術館の1階部分には、スピーカーから人の囁き声が流れてくる作品がありました。音を使った作品で、会場内にはもとからある調度品以外何も置かれていません。 作品=オブジェという先入観を持っていた私は、思わず「どこに作品があるのだろう」と探してしまいました。でも、耳を澄ませばどこからとなく囁き声が聞こえてきます。 会場がもし混雑していたら、スピーカーから流れ出る「声」は来場者の囁き声で消えてしまうでしょう。 スピーカーから流れ出る「私たちはもう、存在しないかのようですね」という呟きが、存在しないものの存在を象徴しているようでした。 今回の作品について、ボルタンスキーはインタビューで「この場所(旧朝香宮邸)は歴史のある場所だからきっと亡霊(fantôme)がいる。 私はその亡霊を先品にしたい。」と述べていました。「声」という目に見えない音によって、亡霊というか、面影や雰囲気のような目に見えないなにかが見事に表現されています。

この作品は、庭園美術館だからこそ面白いのだと思います。 ボルタンスキーも述べるように、庭園美術館はかつて朝香宮邸として皇族や来賓客の生活、社交の場として使用されてきました。 アールデコ調の洗練された内装で、建物自体が面白い。この作品の良さは、空間自体の面白さを壊すことなく、その空間の面白さを際立たせるところにあのではないでしょうか。


「教会など歴史や芸術性のある空間は、構成が難しいが、面白い。……(中略)
……(そうした場所で)作品を作る場合、一番いいのはそれが作品だと気づかれないことだ」―――クリスチャン・ボルタンスキー

写真:http://www.huffingtonpost.jp/2016/09/22/boltanski_n_12133178.html
http://bitecho.me/2016/09/27_1159.html


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