美術・音楽 2016年8月

古代ギリシア—時空を超えた旅—
[2016/08/28]

2016年6月21日~9月19日
東京国立博物館(平成館)

東京上野の国立博物館で行われている「古代ギリシア展」を見てきました。 展覧会では紀元前6800年〜紀元前30年頃まで、ギリシア各都市の遺跡で発見された遺物が時代ごとに展示されています。 オリンピックに関する遺物や、今週見た映画「アレキサンダー」と同時代の遺物があり、ギリシア文化が現代社会や東洋に与えた影響がよくわかります。

スペドス型女性像

紀元前2800〜前2400年頃のもので、クフォニシア群島から出土しました。 このスペドス型女性像は、墓跡から出土することが多いため、埋葬品の一種と考えられています。 女性を模った抽象的な造形は、まるで現代彫刻のようです。

漁夫のフレスコ画、牛頭形リュトン、海洋様式の葡萄酒甕

このフレスコ画は紀元前17世紀にテラ、アクロティリの集落で描かれたもので、漁夫の成人の儀式を描いています。 結び目を2つ残して頭を刈り上げていますが、その姿は、牛の角を彷彿とさせます。牛は男性の象徴で、古代ギリシアの土器や彫刻のモチーフとしてよく用いられます。 牛と並んでよく用いられるものに、渦巻きがありますが、これは永遠性の象徴と考えられています。古代ギリシアでは渦巻きの象徴としてタコが盛んに描かれていました。

クーロス像

ク—ロスとはアルカイック時代(紀元前8〜前7世紀)の男性裸体像のことです。 アルカイック・スマイルと呼ばれる、引きつるような微笑みを浮かべた口元と、アーモンド型の目が特徴です。 広隆寺弥勒菩薩半跏思惟像など、日本の飛鳥時代の仏像にもみられる様式として知られていますが、実物を見えると、 ギリシア彫刻が東方遠征でヘレニズム文化として東洋に波及し、ガンダーラ、仏像になった様が良くわかります。

競技者像

先週まで、リオデジャネイロオリンピックが行われていましたが、現代オリンピックの起源は古代ギリシアの聖地、オリンピアで行われた競技大会が起源です。 古代ギリシアでは、戦争中でも休戦して、オリンピックが開催され、選手たちが肉体の強さと美しさを競いました。
今大会ではドーピングが大きな問題となりましたが、古代ギリシアでも、買収などの不正が多発していたようです。不正を防ぐ意味もあって、競技者は全裸で競技に臨みました。 ただ、肉体美を見せるという側面が大きかったようで、競技者にはオリーブオイルが塗られ、輝いていたという記述があります。 そうした肉体美への憧れが、リアルなギリシア彫刻を生み出したといえます。


直島
[2016/08/21]

香川県の直島を訪れました。直島には、李禹煥美術館や地中美術館、ベネッセアートミュージアム、ANDO MUSEUMなどの美術館などがあり、島全体が美術館のようになっています。 韓国、やアメリカ、フランスなど国内外から多くの観光客が訪れていました。そのため、入場制限がかかっている地中美術館に入館できなかったのですが、念願であった李禹煥美術館を訪れることができ満足しています。
李禹煥は日本を拠点に活動する韓国出身の現代美術作家で、石と鉄板を用いた彫刻や、点や線を描いた絵画を制作しています。 2014年には、フランス政府の招待を受け、ベルサイユ宮殿で個展を開きました。哲学に造形が深く、1960年代から1970年代まで続いた「もの派」を理論的な視点を含めて主導した人物です。 安藤忠雄設計の建物もなかなかかっこよかった。直島には美術館だけでなく、屋外にも草間彌生やのなど作品が展示されています。現代美術が好きな私にはたまらない島でした。


あいちトリエンナーレ 2016
[2016/08/14]

2016年8月11日~10月23日
愛知県内 各施設

伊勢旅行の帰りに、愛知県で開催されている「あいちトリエンナーレ」を見にいきました。 愛知県立美術館や名古屋市立美術館、長者町、栄町のギャラリーなど名古屋市と豊橋市の会場に現代美術作家の作品が展示されています。 映像作品や、音響、日用品を利用した作品など国内外の作家の作品が数多く展示されていました。 2014年の北海道、2015年の新潟ビエンナーレなど、近年、日本各地で盛んに芸術祭が催されて、国内外から観光客を呼び込む地域振興に活用されています。
芸術祭の研究をしている友人によると、こうしたイベントは若手作家が注目を浴びる機会にもなっているそうです。芸術に触れる機会を与えてくれるだけでなく、町おこしや若手作家の育成にも役立つ、芸術祭はまさに一石二鳥、文化の力は素晴らしい。

リオデジャネイロオリンピックで日本選手が目覚ましい活躍を見せ、早くも4年後の東京オリンピックへの期待が高まっています。オリンピックの後には万博が開催されますが、1972年の大阪万博のような一大文化イベントが、2020年の東京オリンピック後にも開催されるのではないかと、ひそかな期待を寄せています。


新宿 エコギャラリー「四美展」
[2016/08/07]

8月6日から7日に新宿エコギャラリーで慶應、早稲田、東大、東京女子大の美術部による合同展、「四美展」が行われ、私も出品しました。

「四美展」に出品した私の作品です

「あほそうで、賢そう」
あほなのか、賢いのか。
男なのか、女なのか。
大人なのか、子供なのか。
そもそも、人なのか。
描いた本人もわからない、そういう絵です。
ヌルっとした感じが気に入っています。

ちなみに、この子は「はっぴー」ちゃんという名前です。
「きゅーぴー」になる前の「はっぴー」です。いっぴー、にぴー……、はっぴー、きゅうぴー!
何を言ってるのか分かららないですね(笑)。それでも、この絵、意外と人気があり、買い手がつきました。
四美展の打ち上げで、小島さんと内田さんと知り合い、その後、飲みに行きました。このような展覧会で、友人ができるのは楽しい。絵に興味がある塾生は、パレット倶楽部を訪ねてください。楽しいですよ。

「2016年 四美展」
場所:新宿エコギャラリー
期間:2016年8月6日~8月7日


渋谷パルコミュージアム「山口はるみ展」
[2016/08/01]

2016年7月8日~7月25日
PARCO MUSEUM パルコミュージアム
渋谷パルコ パート1 / 3F

渋谷パルコミュージアムに「山口はるみ展」を見に行きました。山口はるみは東京藝術大学卒のイラストレーター。 パルコ会長の増田通二に起用され、小池一子、石岡瑛子らとともに広告を手掛け、1970年代のパルコ文化を築きました。 エアブラシを使って描く、欧米人風の女性像は「はるみキギャルズ」と呼ばれています。 展覧会では山口はるみの手がけたポスターのほかに、テレビCMなどの映像作品も展示されていました。デザインは今、斬新でおしゃれ。「こんなに広告が自由で楽しい時代があったのだ」と思いました。

日清カップヌードルCMの放送中止に象徴されるように、現代社会では視聴者の目によって広告は監視され、自由で奇抜な発想は抑圧されています。あたりさわりのない安全な広告を作るあまり、広告は定型化して美しさやおしゃれさ、面白さが失われている気がしてなりません。
8月7日に渋谷パルコは閉店しますが、パルコ文化を創造し、一時代を気づいた百貨店の閉店は、時代の転換を象徴しているようです。


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